スエズ運河航路の利用再開、来年以降にずれ込み=マースクCEO
[コペンハーゲン 31日 ロイター] - デンマークの海運大手マースクは31日、今後数カ月間、世界各地で旺盛な海運需要が続くとの見通しを示した。 ただ、スエズ運河航路の利用再開は「2025年に入ってもかなりの期間」見込めないと指摘した。 マースクなどの海運会社はイエメンの親イラン武装組織フーシ派による紅海での船舶への攻撃を回避するため、アフリカの喜望峰を回る迂回ルートを取っており、長距離航行により運賃が押し上げられている。 ビンセント・クラーク最高経営責任者(CEO)は記者団に「事態が沈静化する兆しはなく、船舶や船員が危険にさらされる。現時点の予想では、この状況は25年に入ってもかなりの期間、続くだろう」と述べた。 同社は第3・四半期について、特に中国と東南アジアからの輸出にけん引される形で需要が旺盛だった一方、世界のサプライチェーン(供給網)は引き続き中東情勢の影響を受けたと説明した。 21日に発表した堅調な第3・四半期決算速報値の内容を確認。同日には通期見通しも上方修正している。 同社は「第3・四半期のコンテナ輸送は引き続き好調だった。需要は前年同期比で4─6%増加したと推定される」とした。 中国経済については、引き続き製造部門の過剰生産能力と輸出主導型成長への依存が目立ち、内需と消費者信頼感が依然として低迷しているとの認識を示した。 クラーク氏は、今後数カ月間で欧州や北米からの貨物量が鈍化する兆候は見られないと述べた。