アマゾンの成長を支えるSaaS戦略とは? 「Supply Chain by Amazon」「生成AI」などが新たな成長ドライブに
オンラインマーケットとしてグローバルシェア1位の地位を確立しているAmazonは、いまだに成長し続けています。マーケットプレイスとしての存在価値に加え、SaaS(Software-as-a-Service)戦略が新たな成長の鍵になると見られています。Amazon Web Service(AWS)はSaaS戦略によって、サプライチェーンと生成AIサービスという新たな事業成長の機会を生み出しています。 記事のポイント ・Amazonが最も急成長している分野は広告とセラーサービス ・Amazonの最高経営責任者(CEO)アンディ・ジャシー氏は、「『Supply Chain by Amazon』に対する販売者からの反応は非常に良好」だと述べている
AWSがAmazonの成長機会に
Amazonの新たな成長につながっているSaaS戦略について、米国の調査会社であるフォレスターのブレンダン・ウィッチャー氏(バイスプレジデント兼主席アナリスト)は、「これはAWSの成功ストーリーだ」と話し、次のように続けます。 ┌────────── Amazonはこれまでに、SaaS戦略に関する投資や技術開発を推進してきました。これを事業拡大につながる新たなビジネスに展開することで、収益を増加させる――。これは、Amazonがかなり前から掲げている戦略の1つでした。 └────────── Amazonのアンディ・ジャシーCEOは、2023年度第3四半期(2023年1-9月期)の決算説明会で、さまざまなSaaSイニシアチブについて語りました。 『Digital Commerce 360』のジェームス・リスリー氏(リサーチデータマネージャー兼シニアアナリスト)は、Amazonが最も急成長している分野は広告とセラーサービスだと指摘します。 ┌────────── Amazonのオンラインストアは依然として順調に成長していますが、Amazonの真の成長ドライブはサードパーティーの販売事業者です。とはいえ、オンラインストアの成長率は上半期(2023年1-6月期)で前年同月比2.0%増、第3四半期(2023年7-9月期)は同7.0%増にとどまっています。 独禁法違反などに疑いをかけている政府の圧力、オンラインモールを介さずに販売事業者との直接的な関係を好む消費者が増えていることを踏まえ、Amazonは事業戦略をシフトしています。Amazonは自らが商品を仕入れて販売するファーストパーティーの販売にも注力しています。(リスリー氏) └──────────