「一体何をやっている」現地実況の口調も激変! 英陸上新星が見せた前代未聞の“怠慢走行”に嘆きの解説「どうしようもない惨事だ」
無気力な走行を目の当たりにし、現地実況も嘆かずにはいられなかった。 波紋を呼んでいるのは、現地7月19日にスロバキアのバンスカー・ビストリツァで行われたU18欧州陸上選手権大会男子200メートル予選で、第4組6レーンに入った英代表の16歳ジェイク・オデイ=ジョーダンが見せた走りだ。 【動画】前代未聞の怠慢走行…波紋を呼んだ英16歳の200m走シーン スタートと同時に勢いよく駆けだしたオデイ=ジョーダンは、グングンと加速していき、後続を突き放す。そして断トツトップで最終直線に入った時だった。残りは50mあるかないかの距離だったが、彼はここでスピードダウンしたのだ。 先のレースを見据えて体力を温存するにも速すぎる距離だった。しかし、オデイ=ジョーダンはふたたびギアを上げず、そのまま無気力に走行。必然的に両脇から猛然と追い上げていったライバルたちに抜き去られ、まさかの4位フィニッシュ。準決勝進出を逃した。 英衛星放送『Sky Sports』などが報じたところによれば、レース後に「足が痛いとかそういったことは何もない」と語ったオデイ=ジョーダンは「それが現実だ。感触は良かった」とも説明。なぜ急にスピードを落としかは不透明なままとなった。 16歳の逸材スプリンターのまさかのレース運び。この前代未聞の珍事において小さくない話題となったのは、欧州陸上競技連盟の放送で実況と解説を務めたフィル・ミンシャル氏とロブ・ウォーカー氏のコメントだ。 レース序盤、相手を突き放したオデイ=ジョーダンの快走を見たミンシャル氏は「疑いの余地などありません。このイギリスの若者は見事な走りを見せています。本当に驚異的です」と絶賛。しかし、レース終盤に当人がスピードを落とすと、驚いた同氏の口調は激変。「おっと……、え、彼はスピードを緩めています! 何があったのでしょう。一体彼は何をやっているのでしょう!」と糾弾した。 愕然とするミンシャル氏の言葉にウォーカー氏も呼応。「ミンシャル、これはどうしようもないくらい酷い惨事だ」と指摘すると、「彼はあまりに早すぎる、本当に早すぎる段階で力を緩めた。この結果は彼にとって本当に、本当に厳しい方法で得る教訓になるだろう。150mのところまでは本当に見事だったというのに……」と怒りの感情をぶつけるように強い言葉を口にした。 コメンタリーからも叱咤される形となったオデイ=ジョーダン。いかなる理由があったにせよ、今回の“失態”から16歳の青年が何を学ぶのかは興味深いところだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]