単独廃校ルールの適用で出場し、抽選番号を引く金ケ崎・三浦主将（撮影・濱本神威）

＜高校野球岩手大会・組み合わせ抽選会＞◇27日◇盛岡市キャラホール 　頼れる“仲間”と熱い夏を過ごす。全国高校野球岩手大会の組み合わせ抽選会が27日、盛岡市内で行われ、単独廃校ルール適用で出場する金ケ崎は、14日に遠野緑峰との初戦に臨む。 　金ケ崎の野球部員は3年生2人、2年生1人、1年生2人の計5人。連合チームで試合に臨む予定で複数校に打診したがまとまらなかった。千葉和馬監督（57）が県高野連に相談し、今回のルールを提案された。 　手を差し伸べてくれたのは、春の東北王者の花巻東だった。2年生3人、1年生2人の協力を得て、21年以来3年ぶりの夏の単独出場が実現した。三浦拓己主将（3年）は「花巻東さんに感謝しています。勝てる可能性が出てきたのでうれしかったです」と喜んだ。 　平日はそれぞれの学校で練習し、週末に合流して実戦を積む。助っ人の内訳は捕手、内野手2人、外野手2人。三浦主将は「すごいうまいですし、勝利への意識や野球に対する考え方が、僕たちよりもすごくレベルの高いところにいる」。花巻東イズムに刺激を受け、金ケ崎ナインの意識も変わってきた。「練習をただこなすだけじゃなくて、試合につながるような練習を心掛けている」。練習試合でも勝てるようになった。 　18年以来の夏1勝へ－。三浦主将は「勝ちたい」と力を込めた。「悔いのないように、応援してくれた人に感謝の気持ちを見せたい」。新たな仲間と、恩返しの夏にする。【濱本神威】 　◆単独廃校ルール　連合チームを組めない部員不足の高校が、近隣校から選手を借りて大会に参加できる特別措置。日本高野連が00年に導入され、12年に改正された。出場可能な自校部員が5人以上9人未満の場合、計10人になるまで補充できる。