【競輪】脇本雄太が近畿勢59年ぶりVでグランドスラム王手~小倉競輪祭
小倉競輪で開催されていたG1第66回「競輪祭」の決勝は最終日の24日、第12Rで行われた。脇本雄太(35)=福井・94期=が、赤板から一気にスパートした寺崎浩平に乗って、最終1角から番手まくりを放ち、後続を振り切って大会初V。22年「オールスター」(西武園)以来、通算8度目のG1制覇で、優勝賞金4790万円(副賞含む)と「KEIRINグランプリ2024」(12月30日・静岡競輪場)の出場権を獲得した。 最強最速の脇本が、止まっていた時間を動かした。自身にとっては、22年の西武園「オールスター」以来、8度目のG1タイトル。そして近畿勢には鬼門とまで言われた「競輪祭」制覇。1965年の第7回大会で加藤晶(京都・5期=故人)が勝って以来、実に59年ぶりのことだ。「競輪祭は特に取りたかったタイトル。意識はしていた。優勝できてうれしいし、ホッとしている」と、荒い息を整えながら、しみじみと吐き出した。 前受けの犬伏湧也―松浦悠士―荒井崇博を、同県の後輩・寺崎浩平が残り2周で叩き、そのままペースアップ。最終ホームで巻き返した犬伏に合わせて、脇本は1コーナーから踏み出した。「寺崎君の動き出しが少し早いなとは思ったが、ホームでは犬伏君もすごいスピードで来たし、踏み込んだ。真後ろに入られたので、最後まで踏み切ろうと」。懸命に食らい付く犬伏を振り切ると、右拳を握ってガッツポーズ。ファンの声援に応えた。 これで「グランドスラム」(全冠制覇)に王手をかけた。22年に「グランプリ」も優勝しているので、来年2月の豊橋「全日本選抜」では、史上初のGP、G1全7冠制覇がかかる。「まずはグランプリまで油断せずいきたい。その先にグランドスラムだと思うが、変に意識せずやっていきたい」。自信を取り戻した今の脇本なら、偉業を達成してくれるはずだ。
報知新聞社