着心地やデザイン、エコ観点まで目くばり。選手を支えたパリ五輪公式ウェア製作秘話
オリンピックは「スペシャルな実験台」
大堀:前回の東京大会ではソリッドなサンライズレッドだったんですけど、JOCが2021年に新たにTEAM JAPANブランドを立ち上げたことから、今回のポディウムジャケットはTEAM JAPANの一体感とパリの日の出をイメージして、サンライズレッドとTEAM JAPANレッドをグラデーションにしています。 パンツがブラックなので、ジャケットとボトムスが一体に見えるように淡色から濃色に移ってパンツのブラックに繋がっていくという配色にしました。 ──ポディウムジャケット製作時に培った技術は、アシックスのアパレルにも使われるのでしょうか? 大堀:はい、 まったく同じではないですけど、もうすでに一般販売用の商品にも広く使われています。種類がいろいろあって、パフォーマンスゴリゴリだけでなく一般的なライフスタイルウェアにも使えるというのがアクティブリーズの特徴かなと。主にトップスが多いですね。Tシャツ、トレーニングジャケットとか。 我々も「作って終わり」というわけではなくて、ポディウムジャケットをすごくスペシャルな実験台というか、機能評価のように捉えつつ、一般の方も着られる商品に転用するというのが最終的な目標になっています。
クラフトマンシップの塊
──今回パリ2024オリンピックのオフィシャルスポーツウェアを製作するにあたって、日本のものづくり精神が生きているなと感じたところはありましたか? 大堀:ポディウムジャケットに関して言うと、我々も日本のメーカーですし、材料メーカーさんもほとんど日本のメーカーさんのご協力をいただいたという点で言えば、本当にクラフトマンシップの塊なのかなと思いますね。 "メイドインジャパン" って昔は何でもできるみたいな感じだったんですけど、いまでは技術的な部分で海外じゃないとできないところもあったりするんですね。なので、今回はその日本でできることをすべて注ぎ込んだジャケットなのかなと。 我々が持っているものをすべて出したかなという感じです。 Source: ASICSPhoto: 佐山順丸
山田ちとら