「力不足を認めるところから始めよう」 箱根駅伝で"三冠"めざした國學院大、5年前とは意味合いが大きく変化した総合3位
1月2日、3日に開催された第101回箱根駅伝を國學院大學は総合3位で終えた。主将でエースの平林清澄(4年、美方)を擁し、出雲駅伝と全日本大学駅伝を制した中では悔しい結果となったが、箱根路初優勝に向けた課題は明確に。今大会で得たものは、新チームへとつながれた。 【写真】平林清澄から主将の座を引き継ぐ上原琉翔、箱根は9区を走った
往路6位から追い上げ「3強」として意地の表彰台
総合3位は2020年の第96回大会と並ぶチームの最高成績だ。だが、チームに湧き出た感情は、5年前とは全く違うものだった。 「5年前は本当にうれしくて……。胴上げまでしてもらいましたからね」 前田康弘監督は当時をこう振り返る。当時の國學院大は、予選会を経て本戦に出場するのが半ば当たり前のチーム。この前年こそ総合7位につけたが、2018年までは出場した5大会連続でシード権を獲得できていなかった。2019年の出雲駅伝で初優勝を飾った実績はあったものの、当時の國學院大にとって「箱根路トップ3」は快挙と言ってよかった。 しかし今季は出雲駅伝と全日本大学駅伝を制し、「三冠」を狙うチームとして臨んだ。チームとしてのフェーズも変わっていた。第97回大会以降の総合順位は、9位→8位→4位→5位。実力校の一つに数えられる存在となっていた。 この5年間で箱根駅伝に対する価値観も変化したという前田監督は、今大会の結果を受けて「悔しさしかない」と唇をかむ。 「出雲と全日本は、本気で頂点を取りに行ってたどり着けた。優勝はフロックではなかったと思ってます。箱根も本気で狙ったんですが、結果このタイム差(優勝した青山学院大学と9分28秒)なので……完全に力負けでした」 それでも復路では往路6位から追い上げ、「3強の一角」としての意地は見せた。7区で辻原輝(2年、藤沢翔陵)が区間2位の好走で7位から順位を一つ上げると、8区の佐藤快成(4年、埼玉栄)も区間7位にまとめて4位に。10区区間3位の吉田蔵之介(2年、埼玉栄)は17.6km地点で単独3位となり、そのまま総合3位でフィニッシュした。 「強いチームにはプライドがありますが、ウチもそうなりつつある」と前田監督は手応えを感じている。自身は駒澤大学の選手時代、全日本の連覇に貢献し、4年時の2000年は主将として箱根駅伝総合初優勝の原動力になった。強いチームとは何かを知っている。「復路での追い上げもその表れかと。絶対に譲れないところを力でねじ伏せることができました」