カワサキ「Z2」の「旧車らしい雰囲気」を楽しみたいとは思いますが……作業はいよいよ本格的な化粧直し=フルレストアに突入! ~日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承~Vol.17
「900Z1」クランク仕様で986ccを目指します
エンジンに関しては、このタイミングでフルオーバーホールと、ちょっとしたエンジンチューニングを実践しようと思います。以前にもリポートしましたが、「ナナハンのZ2は明らかに力不足」でした。
極端にパワーアップしたいなどとは思いませんが、ある意味、Z2本来の姿でもある900Z1程度のパワー感は欲しいと思います。 高校生の頃、750Z2/A4を走らせていましたが、当時、知り合いがモリワキチューンのZ1エンジンを搭載したZ2に乗っていて、そのパワー感の違いに驚いたことがありました。そこまでのパワーは不要ですが、せめてノーマル=900Z1の走りが得られたなら……などと考えています。
この連載企画のテーマでもある「延命治療」という言葉に照らし合わせたときに、今現在は、当時と違って様々なパーツが入手可能ですが、将来的には、果たしてどうなってしまうのか、かわからないといった懸念もあります。 1975年に誕生してから、40年近く走ってきたバイクなので(とはいっても20年近くはガレージで眠っていました)、ここでフルオーバーホールしておけば、今後20年くらいは一般メンテナンスのみで走り続けることができると考えています。
さらに今回は、程度が良い900Z1純正クランクシャフトを組み込み、Z1エンジンのファインチューンで知られるφ69mmピストンを組み込み、少しだけボアアップしてみようと思います。 ブン回さなくても速い=トルクフルで力強いエンジンに仕上げてみたいと考えています。エンジン寿命を大きく左右するのが2ストでも4ストでも「回し過ぎ」だと思います。そういった意味でも、比較的エンジンには優しい仕様で、しかも力強くトルクフルに走る仕様を目指していきたいと思います。 早速、カワサキ師匠の作業場を借りて、車体の分解に取り掛かりました。開始からおおよそ2時間程度で、750RS/Z21-A後期モデルは、分解バラバラの状態になりました。いよいよ、本格的な化粧直し=フルレストアが始まります。
たぐちかつみ