コロナ抑え込み「今までの延長では難しい」 尾身会長「見えない感染源」把握が必要
政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長は15日、参院予算委員会の集中審議で、今後のコロナ対策について「今までの延長ではなかなか難しい」と述べ、感染を抑え込んでいくためには、クラスター(感染者集団)の「見えない感染源」を検査の拡大によって把握することが重要だとの見解を示した。 【動画】参院予算委 総務省接待問題でNTT、東北新社社長を参考人招致
下げ止まりには「必ず原因がある」
現在の感染状況について、尾身会長は「ここまでかなり下がってきて、下げ止まりというところで少し微増している」と述べ、「これには必ず原因がある。『見えない感染源』があるのではないか、というのが私たちの判断」だと指摘した。 その理由として「クラスターが多様化している」ことを挙げた。以前のクラスターは接待を伴う飲食店など食を介するものが中心だったが、今は職場など「見えないところで起きている可能性が極めて高い」として、「そのことを放置したままに(緊急事態宣言を)ただ延長、あるいは解除したとしても本質的な解決にならない」と懸念した。 「重要なことはしっかりとした現状の把握」だと強調し、そのために「今までよりもかなり拡大した検査」を行うことが非常に重要だとした。 国内でも感染例の報告が増えてる変異ウイルスについては「感染拡大のスピードを加速するという可能性も、最悪の状態を想定してやらないといけない」と述べ、医療体制全体のキャパシティを増やすことが必要だとした。その際、単に病床を増やすということではなく「既存の病床をどうやって有効に拡充するか」も含めて検討するべきだとした。 1都3県を対象に政府が出している緊急事態宣言は21日が期限だが、この日で解除するとの政府方針が報じられている。尾身会長は「今回仮に延長、解除するにしても、これからは解除したあとの方が長い」と述べ、今後の対策として「何が一番肝で、どこに集中するか」というメッセージをはっきり出すことが重要だと、国と自治体に求めた。 立憲民主党の青木愛氏の質問に答えた。