ロシア軍、クルスク州に砲200門配備しながら機能せず 情報・連携不足で奇襲許す
ウクライナ軍は機動戦で敵の砲兵戦力の優位性を封じた
最初の数日間、ロシア軍部隊とウクライナ軍部隊は、小規模で流動的な陣地のパッチワークに入り混じった状態になっていた。こうした状況で、味方の防御部隊を避けつつ敵の攻撃部隊に砲撃を加えるのは至難の業だ。 ロシア軍はクルスク州を防衛する火力は持ち合わせていたが、情報や連携が足りなかった。一方のウクライナ軍は、クルスク州ではロシア側の砲兵戦力のほうが優位だったとみられるにもかかわらず、混乱した砲兵は役に立たないだろうと正しく予想し、敵砲兵を気にかけなかった。この点はウクライナ側を評価すべきだろう。 ウクライナ軍がクルスク州に侵攻してから2カ月近くの間に、両軍はこの方面に追加部隊を急派してきた。ロシア軍は反撃に乗り出し、ウクライナ軍が同州につくり出した突出部を少しずつ削り取っているものの、あまり大きな範囲は取り戻せていない。戦線は安定し、双方が塹壕を掘って籠もっている。 クルスク州のロシア軍砲兵部隊は、現在は適切に照準を合わせ、連携するようになっているとみていいだろう。ウクライナ軍がもし8月上旬にクルスク州で収めたような成功の再現を狙って、準備不足のロシア軍砲兵を出し抜こうとするのであれば、クルスク州以外の場所でやるしかないだろう。
David Axe