【バイタルエリアの仕事人】vol.43 森田晃樹|ヴェルディの若き主将が明かす16年ぶりJ1昇格決定時の秘話「PO決勝は根拠のない自信があった」
「再び日本サッカー界の先頭に立つようなクラブにしたい」
技術力に優れた選手を多く輩出するヴェルディのアカデミーで育った森田は、幼少期からいかにして自身のプレーを磨き上げてきたのか。また、これまで過ごしてきたクラブへの想いも述べてくれた。 ――◆――◆―― 幼い頃はロナウジーニョにかなり影響を受けていました。彼のバルセロナ時代のプレーには釘付けになっていましたね。 もともとJリーグのクラブに興味はなくて、親がヴェルディのセレクションを見つけてきてくれて入ることになりました。ジュニア時代から好きな先輩は、トップチームでも一緒にプレーした河野広貴さんです。 彼がヴェルディを離れる時に、「7番を受け継いでほしい」と言ってくださり、それまで背番号へのこだわりはなかったのですが、今、自分がつけている7番が特別なものになりました。 ヴェルディのアカデミーでは、同い年のチームメイトたちに技術が高い選手が多くて、そんな環境でプレーしていたので自然とテクニックは身についたのかなと思います。 特別なことをしていた記憶はないですが、当時からパスやトラップに関しては、量より質をすごく意識しました。自分自身、体格に恵まれているわけでもないですし、身体能力も高くありません。プロで勝負していくには技術、判断を間違えないところが武器になると思い、トレーニングに励んでいました。 パスやトラップは、やればやるだけ上手くなります。それを普段からどれだけ意識高く取り組めるか。自分だけではなく、周りの選手たちにもこだわってもらえるかが大事だと思います。 このクラブの魅力はやはり、一体感だとすごく感じています。カテゴリーに関係なく一緒にボールを蹴る機会もありますし、読売サッカークラブからのOBの方々やファン・サポーターとの交流も含めて家族のようです。 J1昇格が決まった時には、ジュニアユースやユース、ベレーザの選手たち、スタッフ、OBの方々も含めて、こんなにたくさんの人たちの期待を背負って戦っていたんだなと実感した瞬間でもありました。 ヴェルディをJ1に定着させて、昔のようにじゃないですけど、再び日本サッカー界の先頭に立つようなクラブにしたい想いはあります。歴史あるクラブですし、サッカーに興味がない人でも知っているようなOBの方々もいます。自分もそういう存在になれたら、これ以上ないことです。 ※後編に続く。次回は8月31日に公開予定です。 取材・構成●中川翼(サッカーダイジェストWeb編集部)
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