「そこまで話すの?」小倉智昭を一番知っている“がん友達”の笠井信輔も驚いた「小倉本」の中身とは(レビュー)
■スイッチが入っている
今回小倉さんはスイッチが入っている。大好きな古市さんに突っ込まれながら話を聞いてもらって、徹底的に洗いざらい喋ろうと言う、いつもと違う「しゃべる気概」が小倉さんにあると感じた。だから、話がより面白く、より深く、より驚きに満ちて楽しいのだ。 この本の中の一つ一つのエピソードを小倉さんが、自らSNSにあげていたら8割以上がネットニュースになったのではないか。いろいろな人の実名が出てきて、そこまで言わなきゃいいのに一言加えたりしている(笑)。 人の話ばかりではない、小倉さんは儲けているようで、財布の事情は極めて厳しいという、最近、小倉さんの一人暮らしの自宅で私が聞いた話…。「こんな話は表には出せないな」とその時思っていたが、それもかなり細かく話してる! 正直いって、それを聞き出した古市さんに読みながら嫉妬してしまったほどだ。 ネットメディアのインタビューなら小倉さんは絶対に話さない。 新潮新書だから話す。本を買った人だけが楽しめる書籍メディアの特性を、本好きの小倉さんはわかっているのだ。 読み終わって「もっと早く出してほしかった」とつくづく思った。 そうしたら、世の中の小倉さんに対する見方が大きく変わって、「とくダネ!」はまだまだ続いていたかもしれないのだ。 [レビュアー]笠井信輔(フリーアナウンサー) かさい・しんすけ1963年生まれ。早稲田大学を卒業後、1987年、フジテレビにアナウンサーとして入社。1999年から2019年まで『とくダネ!』にサブMCなどで出演。2019年10月よりフリーに。その後に悪性リンパ腫に罹患したが、完全寛解し、現在はタレント活動を継続している。著者に『生きる力 ―引き算の縁と足し算の縁―』(KADOKAWA)など。Amebaブログ「笠井TIMES」 協力:新潮社 新潮社 Book Bang編集部 新潮社
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