「父の離婚宣言」から始まったグラビア 小島可奈子「恋が覚めるように仕事への熱が冷めた」芸能界を引退し、経営者になった今
それからはしばらく専業主婦をしていましたが、仕事が好きなので心理学やカウンセリングの勉強などをしていました。2016年に美容ドリンクのモデルをしてもらえないかと声がかかり、その流れでその会社「And you.株式会社」の代表取締役となりました。
■大切なのはどんな人とどう生きていくか ── 会社経営は芸能界の仕事とはまったく違って戸惑いもあったのではないですか? 小島さん:そうですね。会社は、一度立ち上げてしまうと「走り続ける」か「潰れる」かの2択なわけで、走り続けるために何度も腹をくくりなおしました。でも自分が代表を務める限り最後になにかあったときに被るのも自分なので、自然とたくましくなった気がします。
事業も順調で爆発的になにかがヒットしたというよりは、みなさんに商品のよさを徐々に知っていただいて広まっていった感じですね。コロナ期間中に熊本の災害ボランティアをしている先輩経営者の方のあり方に惹かれて活動に参加したのですが、そのご縁で商品のプレゼンの企画をいただき、お店においてもらえることになったのも大きかったです。 私の場合、目標を立ててしまうと必ずつまずいてしまうので、力を抜きつつ毎日コツコツ頑張るのが合っているみたいです。そうするとそういう流れがきたときに、うまく乗れている気がします。
── 今年、久しぶりにヌード写真集を出されました。50歳を前になにか心境の変化があったのでしょうか。 小島さん:今でもたまに30代に出版したヌード写真集の使用許可を求める電話が会社にかかってくるんです。その流れで、ある日、出版社の方から「写真集を出しませんか」と声をかけていただいて。初めはセミヌードならいいかなと思ったのですが、以前ヌード写真集を出したのに今回がセミヌードはちょっとカッコ悪いかなと(笑)。それでヌード写真集を出すことになったんです。
セミヌードに比べてヌードのほうが、女性が共感して見てくださることが多いんですよ。ヌードからは女性の内面を感じることができ、年齢を重ねるほど、若いころとは違うその人なりの年の取り方が見えるというか。実際に女子校の同級生からも、男性目線とはまた違う「すごいね」などの賞賛の声をもらえました。 ── 今後、目指していることはありますか? 小島さん:経営者としては売上などの数字はもちろん重要ですが、私にとって大切なのはどんな人たちとどのように生きていきたいかということ。たとえば私の会社で働いているメンバーに子どもが熱を出しやすいスタッフがいるのですが、以前の会社ではそれが原因でクビになってしまったそうです。だったらうちの会社ではどうやったら働きやすくなるか考えたいなと。働きやすい、休みやすい方法や、会社に子どもを連れてこられる環境など、そういうことを頑張っていきたいですね。
社名の「And you.」の「あなたといっしょに成長したい」という言葉どおり、お客様やスタッフとともに成長していきたいです。 PROFILE 小島可奈子さん こじま・かなこ。1975年福岡県生まれ。タレント、女優。実業家。1996年にグラビアアイドルとしてデビューし、バラエティ番組やドラマを中心に活躍。2011年で芸能界を離れ、結婚。美容と健康商品を提供する「And.you株式会社」代表取締役。 取材・文/酒井明子 写真提供/小島可奈子
酒井明子