「韓国の映画好きはいま日本人監督の作品を観ている」気鋭の若手作家が語る、韓国映画界の“知られざる一面”
ハン・ガンさんノーベル文学賞受賞について
最後に、今年は韓国の作家、ハン・ガンがノーベル文学賞を受賞したことが話題となった。ハン・ガンさんと同じ出版社から小説を出したソ・イジェさんからは、このことはどう見えているのだろうか。 イジェ 「ハン・ガンさんは、すでにたくさんの良い作品を出していて、韓国では認められている作家です。私は、自分が生きている間に、韓国の作家がノーベル文学賞を受賞するとは思っていなかったのですが、万が一、受賞するならば、それはハン・ガンさんであってほしいとずっと思っていたので受賞は本当に嬉しいニュースでした」 ソ・イジェ 1991年、韓国・清州(チョンジュ)生まれ。ソウル芸術大学映画学科卒。在学中に小説を書きはじめ、2018年に中編『セルロイドフィルムのための禅』が「文学と社会」新人文学賞を受賞し、デビュー。2021年に『0%に向かって』で若い作家賞、本書で今日の作家賞を受賞。続く2022年には『頭蓋骨の内と外』で2年連続となる若い作家賞、『壁と線を越えるフロウ』で李箱文学賞優秀賞、『0%に向かって』でキム・マンジュン文学賞新人賞を受賞と、デビュー数年にして数々の名だたる文学賞を受賞している。
西森路代