「出前」を止めたRedTail 暗号資産市場で暗躍、コンピューターのリソース狙う
マイニングによって収入が得られる仕組みがある限り、RedTailのようなマルウエアを仕込む手口はなくならないだろう。
侵入先の処理能力を一気に使って稼ぐ手口もあるが、なるべく気付かれないようにしたほうが長期にわたって収益を得られる。気付かれないくらいのギリギリの負荷に抑え、被害者側が侵入に気付いたのは数カ月後、1年半後だった事例もあった。
対策としてはおかしな通信がないかの監視が前提になるが、突破されるルートは基本的に2つ。1つはバグなどに起因する脆弱(ぜいじゃく)性で、アップデートなどをきちんとすることが大切。もう1つは認証突破で、パスワード管理の徹底はもちろん、不審なログインがないかも確かめてほしい。
データが流出するわけではなく、深刻に受け止められないかもしれないが、マイニングに悪用されたということは侵入を許したということ。ランサムウエアのような、もっと大きな被害が出た可能性もある。脆弱性が解消されていない「侵入口」情報を売るビジネスもあり、警戒してほしい。(聞き手 渡部圭介)