「出前」を止めたRedTail 暗号資産市場で暗躍、コンピューターのリソース狙う
今回の件で、侵入された経路にあるすべてのサーバーにマルウエアがないか点検するなどの作業に追われた出前館の担当者は、「利用者や加盟店、配達員にご迷惑をおかけした。申し訳ない」としている。(渡部圭介、藤木祥平)
■サイバー犯罪後絶たず 生成AI悪用ケースも
大量のデータを送り付けシステム障害を起こすDDoS(ディードス)攻撃や身代金要求型ウイルス「ランサムウエア」などのサイバー攻撃をはじめ、インターネット空間での犯罪は後を絶たない。中には生成AI(人工知能)をはじめとする高度な技術を悪用するものもあり、警察当局も注意を呼びかけている。
警察庁によれば、全国の行政機関や民間企業などでインターネットを使った犯罪被害が確認されている。令和4年には「大阪急性期・総合医療センター」(大阪市)が攻撃を受け、大規模なシステム障害が発生。岡山県精神科医療センター(岡山市)では今年6月、システムがサイバー攻撃を受け、最大約4万人分の患者情報が流出した可能性があると発表した。
また中には生成AIを悪用した事例も含まれるといい、高度な技術を用いたサイバー犯罪も脅威となっている。5月には、対話型生成AIを悪用し、ランサムウエアを作成したとして、不正指令電磁的記録作成の疑いで川崎市の20代無職の男が警視庁に逮捕され、その後、東京地裁で有罪判決を受けた。
警察庁が公表したデータでは、サイバー攻撃の前兆ともなる脆弱(ぜいじゃく)性を探索する不審なアクセス件数は、今年上半期(1~6月)で1日1IPアドレス当たり9825件で、前年同期の8219件から約1600件増加。うち99%が海外から送信されたものだった。
また「対価を支払わなければ当該データを公開する」などと要求するランサムウエアの被害報告件数についても114件あり前年同期より増加した。
■トレンドマイクロ・セキュリティエバンジェリスト 岡本勝之さん 「侵入に危機感を」