プジョー 高性能モデル「PSE」拡大せず でもハイパーカー市販化には前向き
電動化に注力する方針
フランスの自動車メーカーであるプジョーは、高性能グレード「PSE」を508以外のモデルには拡大せず、完全電動化に注力する方針だ。 【写真】プジョーのフラッグシップに「市販最強」モデル【プジョー508 PSEを写真で見る】 (21枚) PSEはプジョー・スポーツ・エンジニアード(Peugeot Sport Engineered)の頭文字をとったもので、2020年に508の高性能グレードとして投入された。プジョーのリンダ・ジャクソンCEOによれば、PSEのラインナップを増やす計画はないという。 「正直なところ、(対象車種の)拡大も考えたのですが、優先順位の問題が出てきました。実際、親会社ステランティスは電動化のために400億ユーロを投資しています。プジョーは今年末までに、すべてのモデルにEVをラインナップする予定です」 しかしジャクソン氏は、EVをベースにした高性能モデル投入の可能性を否定しなかった。 「確かなことは何もありません。明日、何かを発表すると言うつもりもないので、期待しないでください」 ジャクソン氏はイタリアのイモラで開催された世界耐久選手権(WEC)で、2024年モデルのプジョー9X8のデビューを見守っていた。WECはプジョーが関心を寄せている数少ないモータースポーツであり、今後もその姿勢に変わりはなさそうだが、パイクスピーク・レーサーの電動化には前向きであるように見えた。 508 PSEは、9X8のエネルギー・マネジメント・システムを応用しているとされる。一方で、9X8の高度な四輪駆動ハイブリッド・パワートレインに直結する市販モデルについては「現在議論中で、まだ決定していない」という。 「結局のところ、これは認知度を高めるための取り組みであり、エンジニアリングや耐久性の向上のためでもあります。必ずしもロードカーがなくてもできることです。興味深い議論です。ロードカーを持たないと言っているわけではありませんよ」 ジャクソン氏は以前、9X8の市販化には前向きだが、それは資金を提供してくれる関係者からの要請があった場合に限られると語っていた。そのような要請があったかどうか尋ねると、彼女はこう答えた。「わたしの知る限りではありません」
フェリックス・ペイジ(執筆) 林汰久也(翻訳)