オーストリア中道派の連立交渉決裂、極右主導の協議へ 首相辞任表明
Francois Murphy [ウィーン 5日 ロイター] - 昨年9月の総選挙を受けて連立協議が行われていたオーストリアで、中道政権樹立に向けた交渉が決裂し、協議を主導してきたネハンマー首相が4日、辞任を表明した。 総選挙では欧州連合(EU)懐疑派で親ロシアの極右政党、自由党が得票率約29%で第1党となったが、ネハンマー氏は自由党を含まない中道政権を目指して協議してきた。 同氏の中道右派、国民党は5日、暫定党首にシュトッカー事務局長を選出した。シュトッカー氏はこれまでネハンマー氏と同様に、自由党のキクル党首との連立に否定的な立場を示してきたが、5日の会見では状況が変わったと発言。 「第1党の党首が組閣を任されるだろう。わが党が協議に招かれれば応じる」と述べた。 ファンデアベレン大統領は総選挙後、自由党ではなく、第2党の国民党に組閣を要請。他の政党に自由党と連立を組む意思がないためとしていた。 同大統領は国民に向けた演説で「キクル氏の下での自由党との協力を否定する声が国民党内でかなり弱まったことで、新たな道が開かれつつある可能性がある」と述べ、状況が変わったとの認識を示した。ただ、キクル氏に組閣を要請するには至らなかった。大統領は6日にキクル氏と会談する。