パジェロ復活に期待大!新型トライトンのクロカン性能に感動!乗用SUV並の快適性もイイね!
日経平均株価がバブル期の1989年12月につけた最高値を更新したのにとどまらず史上初の4万円台となったことが話題を集めたが、バブル期に大人気だったクルマとして印象深いのは三菱パジェロだ。すでに国内ラインナップから消えて久しいパジェロに復活のウワサが流れている。複数の新聞メディアが報じていることから、信ぴょう性が高そうなウワサではあるが、はたして次期パジェロがあるとして、その乗り味はどのようなものになるのだろうか。国内販売がはじまったばかりのピックアップトラック「トライトン」の走りっぷりからすると、『パジェロへの期待は確実に高まる』と主張するのは、自動車コラムニストの山本晋也氏だ。 【写真を見る】「三菱トライトン」はトラックとは思えない快適性!※本文中に画像が表示されない場合はこちらをクリック REPORT:山本晋也(YAMAMOTO Shinya) PHOTO:山本晋也(YAMAMOTO Shinya)/Mitsubishi-Motors
トライトンの四駆システムはパジェロ譲りの「スーパーセレクト4WD-II」
2023年7月に生産国となるタイでワールドプレミア、2024年3月からは久しぶりに日本での正規販売がはじまった三菱トライトンを、オフロードコースとワインディングという2つのステージで試乗する機会を得た。 あらためて整理すれば三菱トライトンというのは1ナンバーのピックアップトラック、つまり商用車だ。日本向けの仕様は、2.5Lディーゼルターボと「スーパーセレクト4WD-II」のパワートレインで、ボディは5人乗りのダブルキャブとなる。トラックとしての最大積載量は500kg、車両総重量は2855~2915kgとなるので、1ナンバーといっても現行の普通免許で運転できるのもポイントだ。 初試乗で驚いたのは新型トライトンの走りっぷりにピックアップトラックを意識する瞬間が皆無だったこと。キャビンは非常に静かだし、4気筒ディーゼルの振動は気にならない。大小のターボチャージャーを組み合わせた2ステージ過給のおかげでアクセルの踏み始めからトルクを感じることができるのは、三菱の電動クロスオーバーSUVにも通じるテイストといえるほど。 そもそも世界的にはピックアップトラックをパーソナルユースのSUV的モデルとして捉えている市場は少なくない。1978年に誕生した初代トライトン以来、そうしたユーザーに支えられ、累計560万台以上も売れているというのだから、乗用車的な世界観を感じるのは至極当たり前ともいえる。 前述したように新型トライトンは全車が4WDとなっている。FRと4WDを切り替えるパートタイム4WDであり、副変速機を持つことで4WDのローギヤードモードも選ぶことができるといったメカニズムを採用する。こう書くと、ハードコアな雰囲気もあるが、実際の操作性は非常に洗練されたものだ。なにしろ2WDから4WDへ駆動を切り替えるにはダイヤルをひねるだけでOKなのだ。 さらにダイヤルを押し込みながらひねることで、センターデフをロックして直結状態にした4WDモードに切り替えることができる。このシステムには「スーパーセレクト4WD-II」という名前が与えられている。「スーパーセレクト4WD」といえば、かつてクロカン4WDの代名詞とされたパジェロが搭載していたシステムとして馴染み深いが、たしかにパジェロのそれを進化させた良好な操作性を実現している。 駆動方式を切り替えるダイヤルの前にある「DRIVE MODE」ボタンを押すと、ノーマル/エコ/グラベル/スノー/マッド/サンド/ロックといったドライブモードを選択できる。ただし2WD・4WD・4WDセンターデフロック・4WDセンターデフロック&ローギヤと4つの駆動モードすべてで選ぶことができるのはノーマルだけ。それ以外は以下のようなコンビネーションに限定されている。 エコ:2WD グラベル:4WD スノー:4WD マッド:4WDセンターデフロック サンド:4WDセンターデフロック ロック:4WDセンターデフロック&ローギヤ 加えて、ブレーキLSD機能やリヤデフロック機構を備えるなど、クロカン性能を期待するユーザーを満足させる内容となっている。