「カネ」が全てを決めたセリエA再開の現実【ワールドサッカーダイジェストのザ・ジャーナリスティック】
ディバラの「再陽性」を受け選手たちには大きな動揺が
このカイロ会長(トリノ)をはじめ残留争いに巻き込まれているクラブの首脳陣は、シーズン打ち切りと昇降格凍結を主張。しかし最終的にはTVマネー欲しさにセリエA再開で合意した。(C) Getty Images
クラブや複数の連盟、そしてイタリア政府は、セリエAの行方をめぐって割れに割れた。しかし最終的には、6月20日からの再開が決定。TV放映権料をはじめとする「カネ」が、それ以外の選択を許さなかったと言える。(文:マウリツィオ・クロゼッティ/訳:片野道郎 2020年6月18日発売ワールドサッカーダイジェスト『ザ・ジャーナリスティック イタリア』を転載) ―――◆―――◆――― コロナ禍がもたらしたカルチョ史上未曾有の3か月間は、イタリアの人々に相反する感情をもたらした。 1日あたりの死者が1000人弱に及ぶという極めて深刻な状況に直面していた3月後半の時点では、セリエA再開など考えるだけでも不謹慎であるように思われた。PCR検査のキットが病院にすら行き渡っていないというのに、サッカークラブがそれを優先的に使用するなど、まったく受け入れ難い話だった。 しかし、感染
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