テレビのリモコンに「U-NEXT」がある理由は? GYAO!やライブドアと絡む歴史
テレビ向け動画配信にいち早く対応していたU-NEXT
U-NEXTが現在、テレビのリモコンに専用ボタンを持つまでに至った背景には、早くからテレビ向けの動画配信に注力してきた戦略があります。 たとえば2010年にはソニーの「ブラビア」向けに動画配信サービスを開始し、2012年にはシャープ「アクオス」、東芝「REGZA」などに向けて動画配信サービスの提供を行っています。また、同年にはPCやスマホなどマルチデバイス向けの動画配信サービスを始めました。 つまり「GYAO!の時代から続く配信サービスとしての知名度、ユーザー数の多さ」「テレビ向け動画配信を長らく手掛けていることへの信頼性」といった点がテレビのリモコンに「U-NEXT」ボタンが搭載されている一因と言えるのではないでしょうか。
さらに2013年には「イオンシネマWEBスクリーン powered by U-NEXT」を開始。映画館との連携を強めていきます。 U-NEXTが新しかったのはPCやスマホなどでのマルチデバイス配信「だけ」ではなく、テレビ向けの動画配信に極めて早い段階から乗り出していたこと。また映画館との連携も強めていたことではないでしょうか。 2007年にGyaO NEXTが立ち上げられた当時、時代はまだ3G回線であり、利用されている端末もガラケーが主流でした。3G回線で動画配信をリッチに楽しむのは難しい時代だったでしょう。 この時代に「テレビ向け動画配信」としてサービスが拡大した上で、4Gが普及した2012年にマルチデバイス配信に乗り出したことで「テレビ」「スマホ」「PC」など様々な視聴デバイスを自然と確保できていたことがU-NEXTの強みと言えるかもしれません。 ■USENの「光ファイバー」を活用した動画配信サービスの強み 余談ですが、宇野康秀氏の先代、元忠氏(故人)は全国の電柱に同軸ケーブルを無断で張り巡らせ、有線放送を実施するという強烈な個性と先進性を持ち合わせていた人物として知られています。 電柱の不正使用問題を2代目である宇野康秀氏は、早期に解決することに成功。2001年には正式に手にした有線ネットワークと光ファイバーを組み合わせることで、USENはブロードバンド事業に進出。 GYAO!はブロードバンドと動画配信の組み合わせをいち早く実現していた点にも、先進性がありました。そうした先進性は今日のU-NEXTにも引き継がれていると言えるでしょう。