露店事故から11年ぶりの福知山花火大会 夜空彩る光の渦、再び
観客57人が死傷し、大惨事となった2013年8月15日の露店爆発炎上事故以来、11年ぶりに京都府福知山市が関わる本格的な花火大会が11日夜、市内音無瀬橋近くの由良川河川敷で開かれた。夜空を2千発の花火が彩った。 市内の若手経営者たちでつくる地域活性化団体や福知山観光協会などで組織する福知山HANABI実行委員会が、市の後援を受け、安全を第一に掲げて花火大会を開催。市や警察、消防など関係機関とも安全対策などの協議を重ね、本番を迎えた。 今回は規模を縮小しての計画とした。過去の花火大会は会場一帯を自由に行き来できたが、今回は雑踏対策として、有料観覧席の購入者のみ会場に入れるよう制限。音無瀬橋や堤防上は封鎖し、危険個所には転落防止柵を設置するなど、けが人が出ないよう努めた。 露店は事故が起きた河川敷ではなく、少し離れた御霊公園内に限定。火気はガソリンは禁止し、食中毒予防のため加熱する場合は炭火、IHのみ使用を許可した。 観覧席エリアが開場されると、うちわや手持ち扇風機を持った家族連れ、浴衣姿のカップルらが続々と入場。事故の犠牲者へ黙とうをささげたあと、午後8時すぎに花火が打ち上がった。大輪の花が夜空を彩ると「わー、きれい」などと拍手が起こった。 娘や娘の友達を連れ、5人で会場を訪れた男性(45)は、「子どもの頃から親しみ、毎年楽しみにしてきた花火がまた見られてうれしい」と話し、中学校3年の娘は「みんなでわいわい見れて楽しい。間近で、花火が降ってくるような迫力でした。また来年もあれば見にきたい」と笑顔を見せた。