永井真理子が「人生をかけよう」と思った短大時代のバンド なぜかソロデビューにつながった思わぬ“事故”とは
あなたを絶対デビューさせる
ギタリストは音楽仲間を紹介してくれた。それが前田克樹。後に永井の楽曲を多数手掛けるソングライターだった。前田が書いてくれた曲でデモテープを作り、レコード会社に持参した。後に永井のプロデューサーとなる金子文枝にデモテープを渡し、思いの丈を話した。 約1週間後、「ライブを見たい」と金子から連絡が来た。数日後に行われる、短大の学園祭のためだけに作ったバンド「Dance」で前田らと出演することが決まっていた。学園祭の翌日、金子は「あなたを絶対デビューさせる」と永井に告げた。短大入学から半年、歌手への道がついに開けた。 「早すぎましたが、チャンスを逃すわけにはいかない。ただ音楽活動を話していなかった母に相談したところ、『将来どうなるか分からない浮き沈みの激しい世界で、田舎の女の子がやっていけるわけがない』ときっぱり。それでもしつこくお願いし、短大卒業後も気持ちが変わらず、デビューの話もまだ継続しているなら、という条件で認めてくれました」 卒業へ向け奮起した。同級生らは、永井のデビューは卒業が条件と知り、保育科の実技テストを車座になって応援してくれた。レコーディングなどで授業に出られない永井の“代返”をしてくれた同級生も多数いた。 *** ついに歌手への道が開けた永井。第2回【瞬く間に会場キャパ350→2000に…永井真理子の80年代 57歳の今もライブでは「アドレナリンが出まくっています」】では、デビュー後から現在に至るまで、ライブなどに抱いてきた思いなどを語っている。
デイリー新潮編集部
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