混セゆくえはいかに!? 絡み合う6球団の“勝負模様”を読み解く
阪神・大山の打点力がキーに
首位・広島に1つの負け越しだけに終わっているが、試合内容は悲惨だ。10試合を終わって3点以上奪っている試合が1試合しかない。勝っている4試合中3試合も2得点しか奪えていない。その要因は、やはりクリーンアップの不振にあった。一、二番を打つ近本光司、中野拓夢は、広島戦打率3割3分以上を記録しており、どちらかが塁上にいることが多い。昨年はこの2人が早いイニングで出塁し、クリーンアップで先制点を奪い優位に試合を進めていた。 だが、今季は特に広島のリリーフ陣が昨年以上に強力で、貧打の猛虎打線では試合後半ではなかなか点が奪えない。そこで交流戦明けに一軍に復帰した四番・大山悠輔のバットに期待がかかる。復帰試合では2安打、2戦目で本塁打と復調を見せている。早いイニングで先発から大山が、先制点を挙げると、阪神が有利に試合を動かせる。しぶとさは阪神以上の広島。3点以上を先発陣から奪わないと勝ち目はなく、そこがクリアできないとアレンパの確率は低くなる。
巨人・「鬼門」の克服はなるか
2つの鬼門――甲子園とマツダ広島。昨季3勝10敗の前者は今季ここまで2勝3敗1分けながら、5月24日の戸郷翔征のノーノーで風向きは変わったはず。となれば、残るは昨季3勝9敗だった後者となる。現在は広島が首位に立っているとなれば、なおさらだ。 阿部慎之助監督もはっきり「鬼門」と口にして強い決意で臨みながら、今季もマツダ広島では2分け4敗と白星が遠い。イレギュラーなど不運な打球も多く、指揮官も「何か不思議だなと思いながら見ていた。いつからこんなになったんだろう」と「鬼門」感はむしろ増している。 2分けはいずれもスコアレスドローと、投手陣は一定の働きを見せている。マツダ広島に限った話ではないが、問題は6試合でわずか8得点の打撃陣だ。好機をつくり主砲がかえす、という当たり前の形で得点をもぎ取っていくことが必要。幸い、昨季はチームが苦しむ中で四番の岡本和真は12試合で打率.413、7本塁打とマツダ広島で爆発。いかに四番の前に走者をためるかがカギとなる。