昭和の雰囲気漂う60周年迎えた大阪の遊園地 懐かしの遊具は今も健在
海辺の遊園地「みさき公園」60周年迎え、親子3代で来ている人も
昭和の雰囲気漂う大阪・みさき公園 60周年機に新たな挑戦 後編 企画・構成・撮影・編集:柳曽文隆 レポーター:岡本ゆか THEPAGE大阪
大阪府岬町にある「みさき公園」は、海辺にある甲子園球場7個半分の敷地に動物園と遊園地があり、休みにもなると多くの家族連れでにぎわいをみせる。聞けば今月で開園60周年を迎え「親子3代で遊びに来ている」という来園者も多い。近年は新たなテーマパークなどの台頭で長年営業していた遊園地が閉園するなどしているが、同園は年間入園者数もここ数年増加傾向にあるなど奮闘中だ。前回の動物園に続き、今回は遊園地をぶらりめぐってみたが、そこには懐かしさと新鮮さがあふれる雰囲気が漂っていた。
人力のアトラクション「トップスインガー」で立ちこぎ
まず目に入ったのが「トップスインガー」というアトラクション。これは大人4人ほどがのれるスペースで、ブランコの「立ちこぎ」感覚でヒザをまげて人力のみで動かし、開始と終了は係員さんの手で行われるという、まさに「エコ」なアトラクションだ。 この日、このアトラクションを担当していた係員さんは「毎年、正月に里帰りがてら、これを楽しんでいく人もいて、1回転させてはりますわ」と笑顔で語る。同園の真貝征志郎園長によると、このアトラクションは、かつてはどの遊園地にも置かれていたが、最近では「もう古いから」という理由でなくすケースも多いという。 「ほかの遊園地の方がこのアトラクションの人気ぶりを見て『まだやっておけばよかった』とおっしゃっているのを聞いたりします。もう本当に少なくなってしまったんですねえ」(真貝園長)
開園当時から存在する海辺のジェットコースター
その古さといえば、同園のジェットコースターは60年前の開園当時から存在する歴史あるアトラクションの一つだ。 「いちばん古いのが東京の浅草花やしきで、うちはその次に古いんですが、西日本ではいちばん古いですね」と真貝園長。木々やほかの遊具の間をすり抜けるような汽車型のコースターだが、実際にのってみると「怖すぎず、とはいえ優しすぎない」ちょうどいい感覚といったところだろうか。取材日も身長をクリアした幼児が、2回乗る光景もみられた。 「古いアトラクションひとつでも、大事に大事にメンテナンスしながら使っています」と真貝園長。また、このコースターはこの立地ならではの「高台から海を眺めて楽しめる」という特徴も人気のひとつのようだ。 筆者も子供と遊びに来た際、近くに乗っていた人から「昔と変わらへんなぁ」という声を何度か聞いた。なるほど、それはすなわち、時代を超えて子供と楽しさを共有しやすいわけで、それも大きな人気のひとつの理由で「60周年」という歴史の強みでもある。そして、もう「親子3代で楽しんだ」という来園者も多い。