ベージュは安定志向、白は切り替え上手 服やスマホの色から相手の感情を読むテクニック
連載《カラーコミュニケーション》Vol.8
日常生活の中で私たちが何げなく選んでいる色には、私たちの感情や潜在的な願望が表れているもの。今回は、他人が身に着けている色からその人の感情を推測し、コミュニケーションに役立てるテクニックを、カラーセラピストの志村香織が解説します。 【イラストをもっと見る】相手の感情を服や持ち物の色で探るなら、まずは何を見るか? 谷本ヨーコさんのイラストで確認
■無意識に選んでいる色が深層心理を表す
私たちは知らず知らずのうちに、身の回りに存在する色の影響を受けています。身体への影響の例としては、赤い部屋にいると体温や血圧が上がってポカポカと温かく感じ、青い部屋では逆に体温も血圧も下がってひんやりと感じるという実験結果があります。 この実験では、目隠しをした状態でも同じような変化が起きたとのこと。私たちの皮膚にも色を感じるセンサーがあることは、最近の研究からも分かっています。 また、色は心とも関係しています。暖色系の色を見ると気持ちが明るくなる、青や緑を見ると気分が静まるといったふうに、色は感情にも影響を及ぼします。その一方で、逆に私たちが無意識のうちに選んでいる色が、私たちの心理状態を表すという側面もあります。 気分がいいときは淡いトーンの物を選びやすい、反対に気持ちが沈んでいるときはダークな服や環境を選びたくなるといった経験は、皆さんにもあるのではないでしょうか。
■色から感情を察することは誰にでもできる
色と心の関係といえば、現在放送中の深夜ドラマ「オクトー season(シーズン)2」(読売テレビ系列)は、他人の感情が色で見えるという女性刑事が主人公。その「感情の色」をヒントに様々な事件を解決していくという内容になっています。 文字を見ると色を感じる、物を見たときに音が聞こえるというように、一つの感覚が刺激されたときに別の感覚が引き起こされる現象を「共感覚」といいます。本作ではこの繊細な能力(主人公の場合は「感情が色で見える」という事例)をテーマにしています。 私たちの多くは、主人公のように相手の感情を色として見ることはできません。ですが、私たちが選んだ色がどんな心理状態を表すのかを知っておけば、相手の服や持ち物の色から相手の感情を察することはできるでしょう。この連載の第1回「印象は色で決まる ビジネス小物、テーマカラーで演出」でも述べたように、色は人間関係をスムーズにするツールとして活用することができるのです。 次のページからは、相手が身に着けている色から相手の感情を察するテクニックを2つ紹介します。