【競馬予想】GIエリザベス女王杯は特大万馬券も夢ではない――高額配当の使者はこの2頭
その後、夏は休養に当てて、今秋に向けてはしっかり立て直しを図ってきました。迎えた秋初戦、前走のGII府中牝馬S(10月14日/東京・芝1800m)は15着。思わぬ大敗を喫しましたが、友道調教師は『前走は動きもよく、体も増えていたので自信を持っていったら、あの感じだったので......。気持ちの問題かもしれないね』と冷静に分析していました。 そうしたことを踏まえて、今回は初めてブリンカーを着用してレースに臨みます。そして、ブリンカーを試した1週前追い切りでは、3頭併せで他2頭を4馬身ぶっちぎる豪快な動きを披露。『もともと調教は動く馬だけど、この秋は特に動いている。競馬にいくと自分からやめるような面があるので、ブリンカーが利いてくれれば』と、友道調教師もその効果に期待しています。 今回のメンバーでは、実績上位の存在。初ブリンカーで一変があってもおかしくないですし、一発への期待は膨らむばかりです」 奥田記者が推奨するもう1頭は、キミノナハマリア(牝4歳)だ。 「ハーパーと同世代の4歳馬。こちらは、昨年のオークスでGI初出走を果たしましたが、18着に終わりました。その後は、自己条件のレースで経験を積みながら地力強化。今年に入ってから2勝クラス、3勝クラスを勝ち上がってオープン入りを決めました。昇級初戦となった前走のリステッド競走・札幌日経オープン(8月3日/札幌・芝2600m)でも、牡馬相手に3着と健闘しています。
同馬の武器は、何と言っても荒れた馬場への適性の高さでしょう。ここまで良馬場以外のレースでは、5戦3勝、3着1回、4着1回。今年の京都は年末までのロングラン開催で、芝は先週末の豪雨などの影響もあってか、明らかに時計のかかる馬場になっています。もしひと雨あれば、かなり不気味な存在となり得ます。 管理する千田輝彦調教師も、『時計勝負のヨーイドンといった競馬より、馬場は渋れば渋るほどいい。ドボドボになれば無敵だと思うね。良馬場でも、ほかの馬が苦にするような荒れた馬場なら、いいと思う』と道悪巧者ぶりを強調し、色気を見せていました。 今回はおよそ3カ月ぶりの実戦になりますが、状態面はよさそう。『休み明けのほうが元気がいいし、追い切りもしっかりやれている。前走も2600mの距離がどうかと思ったけどよく頑張ったし、ジョッキー(鮫島克駿騎手)も2200mは持つと言ってくれている』と千田調教師。 昨年のオークス以来、2度目のGI参戦ですが、当時より成長しているのは確か。高配当の使者として、アッと言わせてくれるかもしれません」 波乱ムードが充満しているエリザベス女王杯。人気のレガレイラを出し抜いて、特大の万馬券をもたらしてくれるのはどの馬か。胸高鳴るゲートインまで、まもなくである。
土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu