【デスク便り】あのタイトル争いが土壇場で大逆転!残り2戦の舞台は日本…ムーアの再逆転なるか?
5月に当欄「デスク便り」で書いた「ワールドベストレースホース! ベストレース! ベストジョッキーにも注目!」の記事、覚えてますか。 【写真】ムーア騎手を背に京都競馬場の芝コースで追い切るチャリン 書いたのは安田記念にロマンチックウォリアーが来るのが決まったタイミング。当時はジェームズ・マクドナルド騎手(ジェイ・マック)がワールドベストジョッキーのポイントで独走している時期でした。ぶっちぎりでした。 「4月のギニーから大きなレースがスタートする欧州勢はこの時期からポイントを伸ばしてくる」。 「夏シーズンはG1がないため、どうしても日本のジョッキーには厳しい時期なのですが、秋には日本馬が米国のBCなど各地に遠征し、ポイントを獲得するチャンスがあります。ポイント対象の最後の2レースは日本のマイルCS、ジャパンCです」。 「“突出したジョッキーがG1を勝ちまくらないと、ワールドベストジョッキーになることはできない”ので、その点、日本の競馬は『いろんなジョッキーがG1を勝っているのが魅力』ととらえることもできます。世界を転戦する日本人騎手が出てくれば、そんな日本出身の騎手が最初にワールドベストジョッキーに輝くのかもしれません」。 ということを、当時(5月21日)、書きました。あれから約半年。今、この“最後の2レース”でタイトルが決まる状況になっています。 ジェイ・マックの独走を猛追し、逆転したのが、日本のファンにもおなじみ、クールモアの主戦ジョッキー、ライアン・ムーアでした。BC開催が終わって時点で、1位がライアン・ムーアで150ポイント、2位がジェームズ・マクドナルドで132ポイント、3位がウィリアム・ビュイックで100ポイント。残りは5戦で、「もう決まりかな」という状況だったのですが…。 先週オーストラリアのフレミントン競馬場、「豪チャンピオンズデー」で対象レースが3競走あって、ジェームズ・マクドナルドがこの3競走で、なんと2勝3着1回。28ポイントを獲得する「大逆転劇」を演じました。 先週の競馬が終わって、今度は1位がジェームズ・マクドナルドで160ポイント。2位がライアン・ムーアで150ポイント。その差は10ポイントです。 前回の記事の繰り返しになりますが、対象競走は前シーズンの「世界のトップ100・G1」。11月末で集計期間は終了し、例年、香港国際競走ウイークに表彰が行われます。残り2戦は日本のマイルCSとジャパンCです。 ジェームズ・マクドナルド騎手はマイルCSもジャパンCも騎乗予定がないので、土壇場の大逆転でした。そして、残り2戦に騎乗予定なのが、ライアン・ムーア。マイルCSではチャリン、ジャパンCではオーギュストロダンに騎乗します。この2戦で再逆転(タイトル獲得なら5回目)となるのか、それとも…。 首位打者争い、ホームラン王争い、得点王争い、野球、サッカーに限らず、さまざまなスポーツで…。「どんなスポーツもこの最後の大一番で強いアスリートっているよなあ…」。ムーア騎手は水曜朝に京都競馬場でチャリンの追い切りに騎乗し、金曜は中東バーレーンでバーレーンインターナショナルトロフィーに騎乗予定。トンボ帰りで日曜京都のマイルCSに騎乗予定です。 「ワールドベストジョッキー」のタイトルはあくまで競馬の本質とは異なる“おまけ”の要素が大きいのですが…。こんな表彰(タイトル)があって、そのシリーズを構成するのが「世界のトップ・100G1」で、そのラスト2戦がマイルCS、ジャパンCというのは、知っておきたいところです。ちなみに今シーズンのランキング、JRA所属騎手で最上位(11位タイ)は38ポイントの武豊騎手(対象競走を2勝)。同じ38ポイントを川田騎手(対象競走を1勝)が獲得しています。IFHA(国際競馬統括機関連盟)のホームページに詳細が掲載されています。【競馬デスク@大阪中之島】