要注意…相続の相談をする際、「専門家に嫌われる」避けるべき〈4つの対応〉【司法書士が解説】
「相続は事前に話し合わないと、9割が揉める」……裁判沙汰にならないまでも、遺産を巡って不仲になる、遺産分割以外にも介護、お墓に関するトラブルなどが発生することを考えると、9割という数字は決して大袈裟なものではありません。司法書士兼行政書士である太田昌宏氏の著書『円満相続のための 家族会議の始め方』(メディアパル)より、一部抜粋して紹介する本連載。太田氏が、司法書士ならではの視点から、トラブルを未然に防ぎ、円満な相続を実現するための家族会議の方法を、できるだけ分かりやすい表現を用いて解説します。 都道府県「遺産相続事件率」ランキング…10万世帯当たり事件件数<司法統計年報家事事件編(令和3年度)> 2023.02.07
専門家に依頼したときの相場は?
相談するみなさんがもっとも気になり、専門家がもっとも回答しにくいのが、費用(報酬)です。 相続手続きは定型的な処理で終わるとは限りませんので、一律いくらと回答するのは、正直なところ困難です。どういう状況で、何を依頼するのか、財産の内容などの要素がからむため、きちんと聞き取りをしないと、金額は提示できません。当然、依頼する専門家(事務所)によっても異なり、地域差もあります。 相場観が知りたい場合は、専門家(事務所)のホームページをチェックしましょう。たいていは報酬の一例が出ているので、ざっと比較はできます。 電話での問い合わせは、あまりおすすめしません。いくら明朗会計をうたっていても、電話だけでいくらと答えてくれる専門家は多くないでしょう。 相談費用の目安は、相談時間が30~60分で5,000円~1万円くらいが多いと思います。初回相談は無料という専門家(事務所)もあります。 まずは訪問してみて、財産や依頼する内容を専門家にわかってもらい、そこでおおよその金額を聞くのがベターです。時間があるなら、複数の事務所を訪ねて比較してみるのもよいでしょう(参考:【図1】司法書士への依頼と内訳の一例)。
専門家も人間なので相性は重要
せっかく専門家に依頼したのに「安かろう、悪かろう」では、困ります。では、どんなタイプの専門家に頼むのがよいか、その基準を紹介します。かかりつけ医を選ぶのと似ているかもしれません。 私なりのチェックポイントをいくつか挙げてみます。 ・相談に行った際の第一印象、話をしたときに感じた人柄は? 相続発生前からの相談の場合は、いろいろな手続きを頼むことになります。長いお付き合いになるので、誠実で丁寧な印象が得られるかどうかが、何より重要です。 ・話をきちんと聞いてくれるか? 話しやすい雰囲気か 相談する側が状況をうまく説明できない、問題点がどこに隠れているかわからないのは当然です。最後まで話を聞いてくれるか、断定的な言い方をしないかなどの態度も重要です。 ・わからないことに対して、納得できる回答をしてくれるか? これはわかりやすい差が出ます。知識や経験の豊富な専門家であれば、かみくだいた説明はもちろん、答えがいくつも出てきたり、別の視点からの回答が出てきたりするでしょう。「こんなケースはこうなります」といった具体的な話があれば、納得できます。 より細かなポイントを図2にまとめました。
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