女性を毎月苦しめる「生理痛」は軽減できる…内科医が解説「痛みのもと」に効く食べ物
女性の生理痛を和らげることはできるのか。内科医の梶尚志さんは「ホルモンバランスの変化が下腹部の痛みや頭痛、イライラの原因となっている。下腹部痛にはマグネシウムやオメガ3系脂肪酸、気分の落ち込みにはビタミンB6やビタミンDを含む食材を積極的に食べると効果的だ」という――。 【図表をみる】生理痛を和らげる栄養素と食材 ■生理痛を自然に軽くするなら栄養素から 「毎月の生理痛は避けられない」と諦めていませんか? 薬に頼らず、もっと自然な方法で痛みを軽くしたいのなら、栄養バランスを見直すのが第一歩なのです。 からだは、さまざまな栄養素からできているという根本的な考えから、生理痛の改善に重要な役割を果たし、女性のからだをサポートする栄養素と、それを簡単に取り入れる方法をご紹介します。 まず、生理が心身にどのような影響を与えるのかを見ていきましょう。 生理前後は、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンが急激に低下する一方、プロスタグランジンというホルモンが分泌されるといった変化が生じるため、主に以下のような症状が現れます。詳しく説明していきましょう。 ・腹部や腰の痛み ・頭痛 ・消化器系の不調 ・全身の倦怠感や疲労感 ・感情や精神状態の変化 ■下腹部や腰の鈍痛を招くプロスタグランジン 下腹部の鈍痛は典型的な生理痛の症状で、代表的な原因としては子宮の収縮が挙げられます。一般的に、生理時には、子宮内膜が剝がれる際にプロスタグランジンという物質が分泌され、子宮の収縮を引き起こしますが、過剰に分泌されると子宮の収縮が増強され痛みが増します。 その結果、子宮内や周辺組織の血流を一時的に低下させ、組織の酸素供給不足を生じさせることがあり、これが下腹部痛や腰痛を更に悪化させるのです。 一方で、プロスタグランジンが過剰に分泌されると、胃腸の平滑筋が刺激され、嘔吐を引き起こすリスクが増加します。また、腸の動きを活発化させる作用も持つため、下痢や腹痛を引き起こしたりもします。 その他、生理中の出血により鉄が失われることで貧血や低酸素状態が発生、その影響で吐き気を誘発する可能性があります。 *Prostaglandin level of primary dysmenorrhea pain sufferers:Enfermería Clínica Volume 30, Supplement 2, March 2020.