元祖「カリカリ梅」6代目社長は元タカラジェンヌ「腰かけじゃない!」と示した覚悟の9年間
宝塚歌劇団を退団し、実家が経営する赤城フーズ株式会社を継ぐ決意をした遠山昌子さん(44歳)。ところが、入社当初は社員とうまくコミュニケーションがとれず、ひややかな目で迎えられたといいます。(全2回中の2回) 【画像】あふれんばかり!?カリカリ梅の知られざる製造現場の様子に迫った ほか(全15枚)
■入社日の朝礼で「社員のひややかな目」に最初は… ── 2005年4月3日に宝塚歌劇団を退団し、すぐに赤城フーズ株式会社に入社したそうですね。 遠山さん:そうなんです。これまでずっと舞台に立っていて、一般的な会社のことを何も知りませんでした。だから少しでも早く会社に入って勉強しなければ!と思い、2週間後には入社しました。
私としては「赤城フーズがなくならないように、早く役に立てるようにならなくちゃ」と必死の思いでした。でも、入社日の朝礼で挨拶をすると、ものすごく冷ややかな空気が流れていて…。あの空気感はいまでもよく覚えています。 ── それは出鼻をくじかれますね…。原因はなんだったのでしょう? 遠山さん:コミュニケーションがたりなかったからです。中途半端な思いではないこと、どんな思いでこの会社に入るのかをしっかり伝える大切さを、当時の私は知りませんでした。
社員さんたちからすると、「歌と踊りしか知らない子が何をしに来たの?結婚までの腰かけのつもり?」と思っていたみたいです。 入社後、一生懸命やろうとすると誤解されてしまうことも多々あり、「どうしてわかってもらえないんだろう?」と悩む日々でした。でも、私がみんなに思いを伝えてないから、誤解が生じるのも当たり前ですよね。 入社当時、社内に教育の仕組みが整っていなくて、昔ながらの会社によくある「見て覚えろ」という感じでした。最初1週間は指示があったのですが、翌週から何も言われなくなってしまって…。とにかく会社のことを覚えようと思って、自社の商品をいろいろ見たり、必要と思えるセミナーや勉強会を手あたり次第、受講したりしていました。