【毎日書評】会社員から起業家へ。前に一歩踏みだすための3つの心得
得意なことで相手の期待を超えていく
商品やサービスの品質を維持しようとする際には、つい「弱みを補完」したくなるかもしれません。しかし小さな起業の場合は、「それでいったいどれだけの人の期待を超えられるのか」を冷静に考えるべきだと著者は主張しています。 たとえば、コストばかりがかさんでしまい、「結局そんなに求められていなかった」などということになったら本末転倒。もちろん、足りない部分を補ってお客さまの要望に応えようとすることは大切です。しかし小さな起業をする場合には、かけられる時間やコストは限られていて当然。 足りない部分を補うために投資をしたのにお客さまの反応は鈍く、効果が感じられないのだとしたら、発想を転換する必要があるわけです。 まず検討してほしいのは、自分の強みや得意分野に焦点を当てること。もともと自分が得意なことは、弱みを補完するよりもずっと簡単に実行できます。(307ページより) あれこれやって疲弊するよりも、大切なのは強みや得意分野に特化してお客さまの期待を超えていくこと。小さな起業においては、自分の弱みを克服したり、事業範囲を広げたりするのは、自分自身がもっと「強くなってから」でいいということです。(307ページより)
結局、粘り強い人が勝つ
著者は、起業家にとってなにより大切なのは「継続する力」だと考えているそうです。諦めずに変化し続けた人こそが、最終的に成功をつかむということ。ただしビジネスの成否には、「タイミング」という要素も大きく影響しているようです。 例えば、自分のネットショップで全く売れなかった手作り品が、当時最先端のプラットフォームであったメルカリが登場したことで、売上が飛躍的に伸びたという例があります。(325ページより) 検索エンジンやSNS、ポータルサイト、ECサイトなど新たなプラットフォームが登場したり、既存のものが変更されたりすると、ビジネスの勢力図も大きく変化するのです。また、新しい法律の制定や規制の緩和、大企業の戦略の変更などもビジネスの流れに影響をもたらすことでしょう。 重要なのは、そうした変化のタイミングに、自分のビジネスがどれだけ注目され、新たな需要に引っかかるか。それほどタイミングは無視できないわけです。また、粘り強く続けているからこそ、見えてくるものもあるはず。お客様から質問が寄せられたり、他業者から問い合わせが来たり、ベンチマークしやすい競合他社が現れたりと、情報が次々と入ってくるようになるからです。 そういう意味でも、物事を続けるということには大きな意味があるのでしょう。(325ページより) 日本経済の国際的な地位が著しく低下してしまった時代だからこそ、ひとりひとりの決意と行動が重要な意味を持つはずだと著者は述べています。たしかにそのとおり。起業を通じて未来を変革させるために、本書を活用してみてはいかがでしょうか? >>Kindle Unlimited3カ月99円キャンペーン中【12/6まで】 Source: 総合法令出版
印南敦史