「我慢が必要な場面でミス」若さゆえのもろさ…わずか1時間18分、久光スプリングスがストレート負けで終戦【Vカップ】
バレーボールVリーグ女子1部(V1)の全12チームを2グループ(AとB)に分けて争うVカップの1次リーグが30日、岡山県赤磐市の山陽ふれあい公園総合体育館などで行われた。Bグループの久光スプリングスは岡山シーガルズにセットカウント0―3(21―25、13―25、19―25)でストレート負け。通算2勝3敗で1次リーグ敗退が決まり、各グループの上位2チームによるファイナルラウンド進出はならなかった。なお、同ラウンドの進出チームは、Aグループがデンソーエアリービーズと日立Astemoリヴァーレ、Bグループは岡山シーガルズとJTマーヴェラス。 ■手を合わせてお辞儀をする応援パフォーマンスを披露する久光スプリングスの選手たち 久光のスターティングメンバー(第1セット)は、中川美柚(24)、北窓絢音(19)、万代真奈美(25)、吉武美佳(20)、大竹里歩(30)、チタポーン・カムランマーク(28)、リベロ・高橋葵(18)。 酒井新悟監督が「順位のこともありますが、若い選手にとってはまたとない貴重な経験」と口にしていたVカップ5試合目は、1時間18分でスピード決着した。連続失点をはじめラリー中の決定力不足、ボールコントロールやつなぎでのほころび…これほど悪い材料がそろえば、完敗は必然かもしれない。 「サーブで崩した場面で、もう少し相手の攻撃を抑えたかった。我慢が必要な場面で自分たちのミスもあり、主導権を握ることができなかったのが敗因の一つ」と酒井監督は振り返った。1週間前にストレート負けを喫したトヨタ車体クインシーズ戦はサーブとサーブレシーブの攻防で主導権を握られ、受け身になって押し切られた。翌日の東レアローズ戦は逆にサーブからのトータルディフェンスが機能して完勝した。
第1セット、6連続失点でひっくり返され
試合ごとに「差」が表れる理由は、決して気持ちの問題だけではないだろう。岡山シーガルズ戦の第1セットの先発メンバーはキャプテンの大竹を除いて、今季のリーグ戦で途中出場がメインだった選手ばかり。カムランマークは途中出場での1セットのみで、リベロの高橋に至っては、Vカップでデビューした入団内定選手だ。経験面での「若さ」が持つ強みと弱さが試合でのパフォーマンスにハッキリと出ている。 第1セットが象徴的だった。ライト側の吉武とレフト側の中川が競うように得点して14―10と優位に試合を進めながら、6連続失点でひっくり返されると、流れを変えられないままセットを失った。2セット目以降は相手の勢いに押されたまま、20得点にも届かなかった。