「我慢が必要な場面でミス」若さゆえのもろさ…わずか1時間18分、久光スプリングスがストレート負けで終戦【Vカップ】
この経験をこのままで終わらせず
今季リーグ戦のレギュラーラウンドとプレーオフでフル回転したオポジットの長岡望悠(32)は今大会コートに立たなかった。サポート側に回ったのは若手スパイカー陣を育てるためであり、それは万代に経験を積ませるために、ベテランの栄絵里香(32)をリリーフサーバーでの起用に限定したセッターも同様だ。 そういう意味では、中川と吉武がVカップを通して力強いアタックで存在感を示したのは収穫だった。カムランマークのブロック力、高橋の順応力も光るものがあった。日本代表に3選手を送り込んでいるチーム事情は別として、若い陣容でVカップに臨んだのも、全ては次シーズン、そして将来を見据えてのこと。その方針は5月の黒鷲旗全日本男女選抜大会も変わらないだろう。「このメンバーで優勝を目指してやってきましたが、結果に結び付けることができず、悔しい気持ちでいっぱいです。この経験をこのままで終わらせず、次に向けてチーム全員で考えていきたい」と大竹は前を向いた。 Vカップでの全5試合にスタメンで起用された北窓は大事にいこうとしすぎたのか、岡山シーガルズ戦では本来の思い切りの良さがやや影を潜め、第1セット途中でベンチに退いた。入団2シーズン目を迎えるにあたり、先日は「先輩に付いていくだけにならずに、コートでのプレーでも引っ張っていけるようになりたい」と真っすぐな視線とともに意欲を燃やしていた。オールラウンダーとして「明日の久光」を担う期待の19歳。スポンジのような吸収力の持ち主だ。チームの敗戦も加わり、無念さを募らせたことだろう。悔しい感情と向き合い、力に変えていく選手こそがサクセスストーリーの主人公となる。 (西口憲一)
西日本新聞社