シャンパンファイトでチームメートと喜びを分かち合うドジャース・大谷 (AP )

ナ・リーグ、地区シリーズ第5戦（ドジャース2－0パドレス、ドジャース3勝2敗、11日、ロサンゼルス）米大リーグで大谷翔平投手（30）のドジャースはナ・リーグの地区シリーズ第5戦（5回戦制）でパドレスを2―0で破り、3勝2敗で3年ぶりにリーグ優勝決定シリーズに進んだ。大谷は4打数無安打だったが、先発した山本由伸投手（26）が5回無失点で勝利投手に。大谷は「厳しいシリーズだったが、勝てて良かった。みんなでものにしたシリーズ」とシャンパンファイトに浸った。13日（同14日）からメッツと対戦する。 勝利の瞬間をダッグアウト最前列で見届けると、両拳を握り「バモス」（スペイン語でさあ行こうの意味）と絶叫した。大谷が初のポストシーズンで地区シリーズを突破。第5戦は4打数無安打だったが、ワールドシリーズ制覇へ、一つ階段を上った。 「厳しいシリーズだったが、勝てて良かった。誰が出てもチームプレーで後ろにつなぐ。みんなでものにしたシリーズだった」 地区優勝に続き2度目のシャンパンファイト。両目を赤くしながら余韻に浸った。E・ヘルナンデスが二回に先制ソロを放つと、山本が5回無失点。救援陣も無失点で継投し、完封勝利。1勝2敗と追い込まれた第3戦後、大谷は「2連勝すればいい」と前を見つめた。その言葉を体現し、2連勝を飾った。 大谷は地区シリーズは打率・200にとどまったが、第1戦の二回に同点3ランを放ち、逆転勝利に貢献。第4戦も適時打を放ち、短期決戦でも勝負強さが光った。第2戦に次ぐダルビッシュとの再戦で安打は生まれなかったが、フリードマン編成本部長は「相手は大谷にいつ打順が回ってくるのか、常に警戒していたはず。それだけ彼の存在は大きい」と存在感を称賛した。 3回5失点で降板した第1戦後、精神面で苦しんだ山本には常に寄り添い、この日もポジティブな言葉をかけ続けた。大一番での山本の快投に、大谷は「素晴らしい。相手を寄せ付けない圧倒的な投球だった」と最大級の賛辞をおくった。 シャンパンファイトでは山本のインタビュー中に乱入し、髪が乱れるほど至近距離で噴射。童心に返ったような表情で飛び跳ね、ナインと喜びを分かち合った。シャンパン96本、ビール15ケースは一瞬で泡と消え、大音量の音楽が流れたクラブハウスはお祭り騒ぎだった。

13日（日本時間14日午前9時15分開始）からはメッツとのリーグ優勝決定シリーズ（7回戦制）に臨む。第1戦の先発候補には千賀が挙がっている。「初戦が大事だと思うので、まずはしっかりとそこに合わせて。みんなで喜んで次に向けて頑張りたい」。ワールドシリーズ制覇まで8勝。大谷の「オクトーバー・ベースボール」はまだまだ終わらない。（横山尚杜）