氷見市の菊地市長 来年度予算案の編成で「能登半島地震からの復旧・復興が一丁目一番地」
富山テレビ放送
能登半島地震からの復旧・復興を一丁目一番地とする氷見市の菊地市長。 12月補正予算案が発表されましたが、本丸の来年度予算案の編成はこれからです。 復旧・復興後のまちづくりを見据えたビジョンを描くため、1日まで開かれた菊地市長と住民の意見交換会、改めて復旧・復興に向けた課題が浮き彫りとなりました。 先月13日。 氷見市姿地区の公民館です。 就任5日目の菊地市長と住民およそ30人が能登半島地震で被害を受けた地区の現状や復旧・復興に向けた課題、暮らしの再建について意見を交わしました。 *氷見市 菊地正寛市長 「10か月間いろんな思いをされ、過ごされてきたと思います。市も全力で皆様を応援したいと思っています」 *住民は 「危ないんですよ。例えば蔵の土台がずれているとか。この家はどうなっているのか分からないので」 *住民は 「空き地がどんどん増えて、セイタカアワダチソウが空き地のいたるところに増えるのが困りごと」 地震の前、53世帯あった姿地区では、被害を受けた家に住めなくなった12世帯が地区の外へ転出し、地震が地区の過疎化に拍車をかけています。 *氷見市 菊地正寛市長 「姿地区の地域コミュニティ維持のため、市としてできることを対応していきたい」 意見交換会は、このほか、中心市街地の間島・新道地区や北大町・栄町地区、それに、比美町や中央町などの3つの会場でも開かれました。 *住民は 「液状化で隆起したセメントとか、隙間が空いていたところが、引っ込んでいっている。家の基礎が下がってきている」 *住民は 「災害公営住宅の屋上を避難場所にできないかと」 *氷見市 菊地正寛市長 「液状化もあるし、街部ならではの課題あると分かった。将来的なことも区画整理がいいのか、地元の人と一緒にどこかいい方法なのか相談したい」 ライブBBT年間キャンペーン「命と未来をまもる」、スタジオには能登半島地震の取材を続けている秋本記者です。 菊地市長が就任後、真っ先に取り組んだのが、地震で大きな被害を受けた市民の声を聞くことだったわけですね。 はい、菊地市長はもともと復旧・復興に臨むにあたってスピードも大事な一方、住民の考えや合意を尊重する考えを示していましたので、今回の意見交換会がそのキックオフという形になりました。 復旧・復興に向けた課題、改めて見えてきたものはありますか。 はい、意見交換会の会場4か所すべて取材しましたが沿岸部の姿地区と中心市街地の大きく分けて2つの地域それぞれで課題が違うと感じました。 まず、姿地区の課題ですが。 一番は地域コミュニティの維持です。 地震で2割を超える世帯が転出し、残った住民からは地区内に災害公営住宅を求める声もあがりましたが転出した住民が戻るかどうか見通せないままです。 その一方で、被害受けた住宅の公費解体が進むにつれ、空き地が目立つようになり、地区の過疎化、空洞化に拍車がかかっている印象です。 一方、氷見市中心市街地の課題はどうでしょう。 一番大きな課題は液状化対策です。 氷見市の中心市街地は地盤が砂地のため、液状化の影響を受けた家が多く、市は委員会を設置して、対策工法の検討を進めています。 10月の委員会で工法が決定する予定でしたが、委員から効果を検証する必要があるとの意見があり、まだ決まっていません。 年内に工法を決定する予定ですが、年をまたぐ可能性も出ています。 復旧・復興に向けた道のりに横たわる課題、細かい所でもまだまだありそうですね。 栄町など中心市街地には家と家が壁を接して隣り合う長屋形式の住宅が多く、公費解体の際に隣との境界にある壁が壊れる特有の課題もあります。 これについて菊地市長は境界にある壁の補修に補助を出す考えを示しました。 全体的な復旧・復興の見通しについて菊地市長はどのようなスタンスですか。 菊地市長は、意見交換会で復旧・復興後のまちづくりについても方向性を示すと住民に約束していました。 菊地市長は前任の林市長が進めてきた公費解体、液状化対策、それに、災害公営住宅の3つの取り組みに加え、復旧・復興後のまちづくりをどうしていくかを見据えたビジョンをまとめる考えです。 意見交換会で挙がった住民の声を反映した丁寧な対応を速やかに進めてほしいと思います。
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