ニットと読書に似合う香り。【ATELIER MATERI(アトリエマテリ)】でホワイトカカオの魅力に出合う
急にぐっと寒くなりましたね。季節の境目には体調を崩しがちではありますが、それでも冬が来る! というしっとり澄んだ空気には、気持ちが高揚します。そんな移り変わりに伴って、香りの気分にもちょっとした変化が。夏まではどちらかというとスパイシーでキレのいい香りか、ウッディで湿度あるムードを選んでいましたが、一転、甘さを求めるマインドに。最近特に好きなのが、ATELIER MATERI(アトリエマテリ)の「CACAO PORCELANA(カカオ・ポルセレナ)」です。 【写真】ボトルデザインも秀逸。手作業で施されたゴールドのあしらいに惚れ惚れ アトリエマテリは2019年に創設された気鋭のパルファンメゾン。天然の香料を使用して、ユニークなフレグランスを生み出しています。こちらのベースとなる香りは、ホワイトカカオ。希少な品種として、ペルー北西、ピラウにもっとも古くからあるカカオ畑に生えているのだそう。その魅力を引き出すために、調香師のマリー・ユジャントブレルがショコラティエと協働しつつ焙煎。その過程を知り膝を打つくらい、ふわっとした香り立ちがリキュールかカクテルのような芳醇さなんです。深みのある甘さですが、決して重くない。そこにラムが加わり、ミドルではブロンドタバコやジャスミン、そしてラストノートにパチュリやサンタル。ただスイートにとどまらない渋さと奥行きは、スモーキーで繊細なレイヤーによるものなんですね。 そして、オブジェのようなボトルデザインも美しいんです。深いブルーの瓶は現代建築などからインスピレーションを受けたもの。モダンな佇まいは飾っているだけでうっとり。そして重厚感のある蓋はコンクリート素材。お分かりになるでしょうか、光の具合によってゴールドの輝きが反射するんです。どことなく、金箔のような和のムードも連想させます。 ひとつひとつ手作業で仕上げたボトルは、窓際に置いておくと太陽光に当たってまた綺麗。 私がこの香りから想起するのは、あたたかなニットと読書のひととき。活動的な朝より、内省的な黄昏時です。外はぐっと冷えていてやや曇天、雪も降りそうな寒さ。家のなかでバルキーなニットとこの香りに包まれて、本の世界に没頭する……そんな光景が思い浮かぶ。個人的には、今夜は本をじっくり読むぞ! モードのスイッチングにぴったりだなと思います。フレグランスってどんなシーンで纏おうかしら、と想像を巡らすひとときも楽しいですよね。 アトリエマテリのフレグランスは、清澄白河にあるメガネと香水の専門店「Atelier Macri」や、金沢の香水専門店「PHAETON FRAGRANCE LONGBAR」などで取り扱いがあります。ぜひ、実際に嗅いでみてください。 ◇エディターSAKURABA