「米原含め再検討を」 新幹線県民会議・決議案判明 小浜の着工けん制
●26日の総会で提案 26日の北陸新幹線建設促進石川県民会議総会で提案される決議案の概要が25日、判明した。敦賀以西の整備に関し、小浜ルートに大きな課題が明らかとなった場合、米原ルートも含めた再検討を国や与党に求める内容だ。同会議は地元国会議員や県、県議会、県内の全19市町、市町議会、経済団体を含む260の組織などが名を連ねている。採択されれば、石川県の総意としてルート再考の姿勢を打ち出すことになる。 北陸新幹線敦賀以西のルートは、2016年に与党が「小浜」「米原」「舞鶴」の3ルートの中から小浜での整備を決定した。ただ、沿線自治体が求めていた2023年度当初の着工は実現せず、沿線国会議員でつくる与党整備委員会が25年度中の着工を目指している。 こうした状況の中、北陸新幹線建設促進石川県民会議はこれまで毎年の総会で、小浜ルートを前提とした早期全線開業を求める決議を採択してきた。しかし、26日に提案される決議案では「7年余にわたってほとんど進展が見られない」と指摘し、これまでの方針を修正する。 ●「5条件解決を」 決議案で問題視しているのは、国土交通省が新たにまとめた試算で建設費が大幅に上振れし、小浜ルートは着工5条件の一つである「費用対効果」をクリアできないとみられることだ。関係者によると、「財源の見通しがないまま、着工5条件を解決せずに整備するのは認められない」との趣旨で、小浜ルートでの早急な着工をけん制している。 一方、同じく建設費が上振れするとみられる米原ルートは費用対効果の条件を引き続き満たす見通しだ。 このため、石川県内では米原ルートへの再考を求める声が強まっている。21日には、県内の首長、県市町議、経済関係者でつくる「オール石川北陸新幹線米原ルート推進会議(仮称)」の発足が決まった。 沿線では、京都府内で過度な負担や地下水をはじめとする環境への懸念が根強く、大阪に強固な地盤を持つ日本維新の会は米原ルートへの転換を求める提言を国に提出している。 ★北陸新幹線建設促進石川県民会議 県商工会議所連合会の安宅建樹会頭が会長を務め、名誉会長に馳浩知事が就いている。26日の総会は金沢市の県地場産業振興センターで開かれる。安宅会長や馳知事のほか、県関係国会議員、県内市町、県市町議、経済団体、国土交通省、鉄道建設・運輸施設整備支援機構、JR西日本の関係者ら約400人が出席する。