【特集】新潟県と山形県を結ぶJR米坂線 被災し一部区間で運休が続く 今後の行方は 《新潟》
岩手県を走っていた岩泉線
鉄道の赤字路線は全国で課題となっています。 岩手県岩泉町。 総延長38.4kmの「岩泉線」が山の中を走り、隣の宮古市と結んでいましたがJR東日本管内で初めて廃線を選択しました。
利用者数が最下位
廃線前、岩泉線の利用者数は東日本管内に67ある在来線のうち最下位。平均利用者は46人(1日1㎞あたり)。いわゆる赤字路線でした。 東日本大震災での被災もあり、岩泉線は2014年に廃線。 町の住民は複雑な思いを抱えます。 住民 「線路がつながっていれば日本全国つながっていたわけですから。1本でも(線路を)取れてしまえば断ち切れてしまう」 住民 「うちらにしても新潟にしても収益にならないところはJRは割愛したい。JRの気持ちはわからないでもない」 町には今も「岩泉駅」の駅舎が残り、全国の鉄道ファンによる廃線を惜しむメッセージがつづられています。
「“公共の足”がなくていい、という話は出ていない」
JR東日本 白山弘子 新潟支社長 「(米坂線沿線は)自家用車の利用がかなり進んだ地域であると我々は考えております。いわば鉄道離れが進んでいるということはひとつ言えるかなと感じておりました。地域の“公共の足”がなくていいという話は全く出ていないです。最終的なゴールがどうなるにしても前に向けて建設的な議論をしていきたいと思っています」
利用促進運動を展開へ
2024年11月、全国知事会の国土交通・観光常任委員会は、地方のローカル線について、災害復旧の支援や「上下分離」が行われた場合の自治体への運営費支援などを国に要望しました。 要望は知事会の「総意」です。 花角知事 「要望を受けて国がどう動くのか、そうしたことも材料に入れながら答えを探る。できるだけ急ぎたい。被災から2年以上経った」 揺れる米坂線。 JRと自治体による復旧の在り方をめぐる協議は2025年も続きます。 (「夕方ワイド新潟一番」2024年6月20日放送分ほか再構成)