牧野知弘 もはや短絡的に「都心部のマンションは必ず値上がりする」という結論にはならない…それでもマンションを所有するならどのエリアがいいか
「かつて超高額マンションと言えば1億円、いわゆる『億ション』でした。ところが今や、3億円を超える住戸は珍しくありません」と語るのは、オラガ総研代表取締役の牧野知弘さん。今回は、マンション価格高騰の背景を牧野さんに解説していただきました。牧野さんいわく、「国内外の投資マネーが集中するところにマンションなどのプロパティを持つべき」だそうで――。 【図】東京都の在留外国人推移。2022年に58万1112人で、前年比6万3230人増 * * * * * * * ◆都心なら、どこを選ぶべきか 都心部に人が集まるから、都心部のマンションは必ず値上がりする。 なぜなら東京は不死鳥であり、実際コロナ禍の影響からも見事に立ち直って、ふたたび人を集めている──。 データだけを見れば、このように感じる人たちがいても不思議ではありません。しかし、本当にそうでしょうか。 東京都の調査では、東京都の人口は2030年の1424万人をピークに減少に転じる、と予測されています。 それによると2035年1417万人、2040年1398万人と推移し、2060年には1200万人台になると推計されています。 地域別に見ると、23区は2035年の999万人が、多摩・島しょエリアは2025年の435万人が人口のピークとされています。
◆在留外国人の増加 東京都では同様の調査を2021年にも行なっていますが、今回の発表(2023年)では予測値を修正して、ピークをやや先送りしています。 その理由は、在留外国人の増加です。 コロナ禍で一時的に減少したものの、在留外国人は2022年で58万1112人、前年比で6万3230人も増加しています。【図参照】 つまり、東京都の人口増を支えているのは在留外国人なのです。このことはあまり知られていません。 したがって、都心に集まる人たちの属性を理解し、どこにどのような人たちが集まるかを考えないと、短絡的に都心部のマンションは必ず値上がりするという結論にはならないのです。 特に、35年におよぶ住宅ローンを借りて、超高額マンションを購入することは慎重でなければなりません。 今から35年後は2059年、東京都の人口は1200万人台に落ち込んでいることが前提になります。それでも資産価値を保ち続けるエリアを見定めるべきなのです。
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