【特集】空から命懸けで救助する警察の"レンジャー部隊" 厳しい訓練に挑む新人隊員に密着 《新潟》
■出動件数は年間約130件 バックカントリースキーによる遭難などヘリで駆けつけ救助
これは、ことし3月湯沢町の山中でバックカントリースキーをしていて遭難した男性を救助した映像。 「新潟県警察です。ケガないですね?」 レンジャー部隊は航空隊と連携し、地上から接近できない山中や孤立した被災地に、ヘリコプターで駆けつけて救助を行います。 「もう上がりますからね、安心してください」 常に危険と隣り合わせ……。隊員にも命を懸けて救助します。
■年間約130件 季節問わず救助に向かうレンジャー部隊
救助する件数は年間およそ130件。 春の山菜採りに、夏は登山中の熱中症、冬はバックカントリースキーによる遭難など一年を通じて出動し、県内の出動件数は長野、北海道についで全国3番目の多さです。 県内4200人の警察官のうち、レンジャー部隊は20人。体力や精神力に加え、過酷な訓練を経たまさに精鋭部隊です。
■ランニングからほふく前進… 命を守るための過酷な訓練
その精鋭部隊の訓練は、どれほど厳しいのか……。記者も特別に参加させてもらいました。 「気合入っているか」「レンジャー」 「行くぞ!」「レンジャー!」 ランニングから始まり、休みなく続く訓練…… 「ほらー!進め!はやく!」「レンジャー!」 「遅いぞ!」「レンジャー!」 当然……記者はついていくことができません。 「ほら、何休んでいるの?」「レンジャー!」 「要救助者がいたら休むの?きみは?」「レンジャー!」 「そんなんじゃ救助できねえぞ」「レンジャー!」 「要救助者助けるために明日から頑張るぞ!」「レンジャー!」 人命救助のため、妥協は許されません。 【県警レンジャー部隊 八藤後 順 小隊長】 「要救助者を助けるために、諦めないのはもちろんのこと、基礎体力もやはり人並み以上の体力がないと過酷な現場で活動できませんので、気持ちと体力この二つが求められる資質だと思います」
■想定訓練で思い知らされた実力不足の自分
この春、レンジャー隊に選ばれた富樫隊員。ことし5月、実際にヘリコプターから救助する訓練が行われました。訓練は山で遭難者が出た想定です。担架でケガ人を助けようとしますが……。 ほかの隊員との連携がうまく行かず時間がかかってしまいます。 【指導担当の教官は】 「最後の担架の想定、松本と富樫やってもらったけど富樫降りるとき、何やるのかわかった?」 【富樫隊員】 「始まる前に、松本と若干の打ち合わせはしていたので、なんとなくはわかったんですけど詳しいところまでは入ってこなかった」 【教官は】 「どういう方針でやるのか、意思統一してから活動してください」