【timelesz】 3人の最初で最後のシングル『because』とオーディションにかけた思いは?「うちの事務所のジュニアってすげぇなって痛感」
――――「timelesz project」はepisode03の配信を終えたばかり(※取材時)。偉大な先輩にしてプロデューサーの大倉忠義さんの登場が話題になりました。
菊池:大倉くんの登場で、また空気がピリッと締まりましたね。今後の配信でも、大倉くんがすごくグッとくるコメントをしてくれているので、乞うご期待です。 松島:この世界の本当の厳しさを伝えていくのも僕らの役目じゃないか、みたいなことを大倉くんからアドバイスされて、その通りだなと。でも、僕は人に厳しく接するようなことは苦手なので、風磨くんに全面的に頼ってしまっているところはあるのかも。 菊池:大倉くんから「厳しさという伝統の継承も大事なんじゃないか」と指摘されたとき、どこかで鬼になる覚悟も必要かなと思って、腹を括りました。ただ、そもそもこのプロジェクトを始めたときから、僕ら3人のキャラクターを強く出していくことも狙いとしてあったんです。メンバーを増員したとき、「いきなり知らない人が入って来た」と思われないよう、オーディションの過程で、候補生がどんな思いでこの場に臨んで、僕らとどんなコミュニケーションを重ねた上でこの場に立っているのか。その過程と、新メンバーの人となりを、新体制のスタート前にちゃんと見てもらいたかった。同時に、僕ら3人がグループに対してどういう思いを持っているか、どういう気持ちで活動しているかも見てもらいたい。オーディションの過程でその2つのリアルを伝えていくことが重要じゃないかと、ずっと思っていたんです。 佐藤:ただ、今は審査員と候補生かもしれないけど、1年後には横並びで仲間になるんですよね。今この段階で彼らに厳しくして、上下関係のようなものが生まれてしまったら、同じグループになったときにやりにくいので。 菊池:僕らが上で彼らが下ってわけじゃないから。どういう塩梅で彼らに接したらいいのか、と。そこは悩むところだし、探り探りではありますね。 松島:以前勝利が言ってたことで、「まさにその通り」って思ったのが、「オーディションでは、候補生に対して言った言葉が、結局自分に返ってくる」ってことです。あの場では、人に厳しく自分に甘くってことが絶対に通用しない。だから、「こうですよね」「もっとこうしてほしい」と僕らが候補生に対して発する言葉は、同時に自分たちに言い聞かせている言葉でもある。結果として、「timelesz project」が僕らを応援してきてくれたファンの皆さんとはまた違う層に響いている実感もあって。この間配信の後にXをチェックしていたら、K-POP系のオーディションをずっと見てきた人が、「スキルではなく、人柄とか人間性にフォーカスするオーディションが新鮮だった」とコメントしていて。「今までは候補生のスキルばっかり見てたけど、そこがすべてじゃないことに、タイプロを見て初めて気づいた。推しと出会うのに、ダンスや歌のスキルを見て好きになるんじゃなくて、人柄が入り口になることもあるんだな」って。 菊池:ヘぇ~、その感想は嬉しいね。スキル以前に、人間性を重視するところは、うちの事務所の伝統でもあると思うし。今回のオーディションを通して、その「無垢な可能性への賭け」というか、上手さ以上に「輝き」が重要視されてきた伝統の凄みみたいな部分をわかってもらえたら嬉しい。 佐藤:それは僕もすごく大事にしている部分ですね。デビューしたグループがオーディションを開催して、事務所の後輩だけじゃなく、縁もゆかりもなかった人たちからも仲間を募集している。そのことが、事務所の伝統を壊すことであるかのように受け止められることを僕は残念に感じていて……。むしろ、育ててもらった恩を返すために、新しい可能性に挑戦しているつもりだし、先輩だけでなく後輩にも、人間的にこんなに素敵な人たちがいる事務所なんだよ、ということも見せていきたかった。 菊池:もう一つ、僕自身もオーディションを通じて痛感したのが、「うちの事務所のジュニアってすげぇな」ってこと。ジュニアって一般的には「デビュー予備軍」っていう見え方なんだと思うけど、最近のジュニアは人柄とスキルが備わった上で、会社の伝統も受け継いでいる。今残っている候補生は、僕らが可能性を見出した人たちなので、ぜひそこに食らいついていってほしいです。