大谷翔平が年間マルチ安打72度のペース シーズン262安打の04年イチローはさらに多かった
◆米大リーグ ジャイアンツ4―1ドジャース(15日・米カリフォルニア州サンフランシスコ=オラクルパーク) 【動画】試合前のキャッチボール ドジャース・大谷翔平投手(29)が15日(日本時間16日)、敵地ジャイアンツ戦に「2番・DH」で出場。厳しい判定に泣いて2つの見逃し三振を喫するも2安打を放ち、3戦連続、MLB最多の今季20度目のマルチ安打とした。 勝利を確信する敵地ファンを一瞬、黙らせた。3点を追う9回2死一塁。大谷はジ軍守護神・ドバルの101マイル(約162キロ)カットボールに反応した。外角低めの難しい球でも、最後は右手一本で左前に運んだ。 腰の張りから復帰後3試合目。5回2死では中前打を放ち、3戦連続複数安打。「状態はいい方だと思いますけど、(渡米後)7年間で一番いいかと言われたらちょっと分からない」と言うが、チーム45試合で20度は年間72度ペース。日本人では年間最多記録の262安打を放った04年のイチロー(マリナーズ)が記録した80度のマルチに迫る勢いだ。 しかし、この日は2ストライクからの判定に泣かされた。まずは3回無死。右腕・ウェブの83・3マイル(約134キロ)のスイーパーが低めに外れたと見切った大谷だったが、判定はまさかのストライク。さらに7回2死一塁でも、左腕・ミラーの直球が外角に外れたと見送るも再び球審はストライクをコール。厳しい判定にさすがの大谷も右手を挙げ、首を横に振り、何かをつぶやきながら引き揚げた。 MLB公式サイトの1球速報の9分割チャートでは、その2球ともゾーンを外れていた。H・ウェンデルステッド球審は大谷に何か注意しているようにも見えた。ロバーツ監督は「自分たちに不利になるコールはいつだってあるもの」とし、不満を表した大谷を「彼は競争心が高いからね。(首振りは)全然問題だと思わない」とかばった。 チームは敗れたが、大谷は打率3割6分4厘、12本塁打、63安打などリーグ9冠をキープ。どんな判定にもめげず、快音を奏で続ける。(中村 晃大) ◆お騒がせ審判 4月22日(同23日)のヤンキース―アスレチックス戦。ヤ軍のブーン監督が初回に相手の1番・ルイーズに対する死球の判定にクレームを入れた。ウェンデルステッド球審は指揮官に警告を与えると、次打者の際にベンチ上にいたファンの声をブーン監督の抗議と勘違いして退場処分にした。プレーボールから5球目を投げた場面での珍退場だった。 〇…ド軍とライバル関係にあたるジ軍本拠地で、大谷に強烈なヤジが飛んだ。三振に倒れた7回の打席中には「一平コール」が巻き起こった。前日14日(同15日)には元通訳の水原一平被告が2度目の出廷。現地でも注目度は高く、今カードは背番号17に「IPPEI」のネームが入ったTシャツを着た観客が登場した。「SHOHEI OHTANI IS A BAD FRIEND(大谷翔平は悪い友達)」というプリントシャツのファンもいた。
報知新聞社