「水平質問」→「垂直質問」で問題の核心に迫る十字カーソル質問法
■ オープンクエスチョンで問題解決の糸口を探る 相手の話を漠然と「聞く」だけでは、「ヨコ」方向の水平質問も「タテ」方向の深掘り質問も思いつきません。時には主体的な質問を用いて、話題やトピックを「ヨコ」方向や「タテ」方向に促して、「聴く」ことを心がけましょう。 具体的な場面で、「ヨコ」方向の水平質問と「タテ」方向の深掘り質問の活用例をご紹介します。 例えば、実際に製造装置のトラブル対応で相手先に出向いてヒアリングをするシーンを想定してみましょう。まずは水平質問です。みなさんなら、どんな質問をしますか? 最初から「最近、問題はありませんでしたか?」と聞いてしまうと、「あるか、ないか」の二者択一の答えになってしまいます。 このような相手の答えに制約を与えてしまうような質問ではなく、例えば、「最近、(製造装置のことで)気になることはありませんでしたか?」というように、相手が制約を感じずに、比較的自由に答えられるような、いわゆるオープンクエスチョンを心がけてみましょう。 さらに、「他には?」「他には?」とヨコに広げ、相手の話に耳を傾ける中で、「ここに問題の核心があるのでは」というポイントを絞っていきます。 そして、ポイントが定まったら「その点について、もっと詳しく教えてもらえませんか」とタテに深掘りしていくのです。 そのためにも次に紹介する「十字カーソル質問法」を頭にイメージしながらヒアリングをするとスムーズに進みやすく、おススメです。
■ 水平質問と垂直質問のコツ ■STEP2 質問を「十字カーソル」型に進めていく ヒアリングの時に会話の主導権を握るのに効果的なのが「十字カーソル質問法」です。前述のようにヨコ方向に広げながら、ポイントとなるところでタテ方向に深掘りする「十字カーソル型」の質問法です。 実際のヒアリングでは、この十字カーソル質問法を繰り返すことになります。ヨコとタテの質問をする時のコツを示します。 (1)水平質問のコツ(十字のヨコ棒) ・まずはオープンクエスチョンを投げかける ・ 回答に応じて、「他には?」「追加するなら?」「別の場面なら?」「違う用途では?」というように広げていく グループへのヒアリングなら、「気になっていることを10個、挙げてください」などと数(目標)を指定して、ブレインストーミングしてもらうのもおススメです。 (2)垂直質問のコツその1(十字のタテ棒を下方向に) ・自己選択してもらう 相手と一緒に課題解決に取り組んでいる場合などには、「ここに挙げた懸念事項の中で、特にピンとくるのはどれですか?」と水平質問で答えてもらったトピックスの中から、特定のトピックを選んでもらうのもいいでしょう。 ・深掘り質問をおこなう (5W2Hで深掘り) 5W:When(いつ)/Where(どこで)/Who(だれが)/What(なにを)/Why(なぜ) 2H:How(どのように)/How Much(いくらで) (「グッド話法」で深掘り) 「具体的には?」の最初の文字の「ぐ」と、「どうして?」の最初の文字の「ど」を組み合わせた「グッド話法」。「Why(なぜ)?」だと詰問調になるので、それを避けるために「どうして?」がおススメです。 (顧客の課題感) 「うちの部署は、職場力が問題だと思っている」 (グッド話法の例) 例1:「職場力とは、具体的には何をイメージされていますか?」 → 人によって意味合い(協力関係や風通しの良さ、技能の高さなど)が異なるので明確にする 例2:「どうして、職場力が問題だと考えているのですか?」 →「職場力」に着目している理由や背景を丁寧に掘り下げながら明確にする (3)垂直質問のコツその2(十字のタテ棒を上方向に) ・一般化/要約質問で上方向に深掘りする 一つのトピックを下方向に深掘りするとともに、上方向に向けて「それってつまり?」「一言でいうと?」「あらためて一番伝えたいことは?」「要約すると~~ですかね?」というように、俯瞰して一般化する質問も行います。 ヒアリングやインタビューでは、一般化することによって問題の大枠を捉えることができるようになります。