獲得を後悔? 欧州、今季のワースト補強ランキング1~10位。期待ハズレに終わった実力者たち
6位:イェスパー・リンドストロム(デンマーク代表) 生年月日:2000年2月29日 所属クラブ:ナポリ(イタリア) 移籍金:3000万ユーロ(約42億円) 今季リーグ戦成績:22試合0ゴール0アシスト フランクフルトで現クリスタル・パレス監督のオリヴァー・グラスナーに見出されたイェスパー・リンドストロムは、ツーシャドーの一角で多くの得点に絡んでいた。昨季はブンデスリーガ7得点4アシストとキャリア最高の成績を残し、昨夏に3000万ユーロ(約42億円)の移籍金でイタリア王者ナポリに引き抜かれている。 ところが新天地では公式戦29試合に出場しながら、未だに得点関与なしと苦しい状況が続いている。そもそもシュートが枠に飛ばず、セリエAで放った14本のシュートのうち枠内はたったの2本。9本が枠外と決定力不足が露呈した。 得点に絡めないとなれば他の武器で穴埋めをして欲しいところだが、それもできていない。フランクフルトではかなり戦術で誤魔化しが効いていたのか、ナポリ加入後は運動量不足が露呈しており、サイドやインサイドハーフで起用するには守備意識が低すぎる。そもそも[4-3-3]のシステムに、トップ下を本職とする彼を当てはめること自体が難しいのかもしれない。 今季のナポリはリンドストロムに限らず、キム・ミンジェの後釜として期待されていたナタンや冬加入のシリル・エンゴンゲ、ハメド・ジュニオール・トラオレ、レアンデル・デンドンカーらが軒並み戦力とならなかった。これだけ外れ補強が続けば、セリエAで10位は仕方ないだろう。
5位:メイソン・マウント(イングランド代表) 生年月日:1999年1月10日 所属クラブ:マンチェスター・ユナイテッド(イングランド) 移籍金:6420万ユーロ(89.9億円) 今季リーグ戦成績:14試合1ゴール0アシスト 昨夏にマンチェスター・ユナイテッドが6420万ユーロ(89.9億円)の移籍金で獲得したメイソン・マウントは補強の目玉だった。 このイングランド代表MFはチェルシー時代の2021/22シーズンにプレミアリーグで2桁ゴール2桁アシストを記録。エリック・カントナやデビッド・ベッカム、クリスティアーノ・ロナウドらが着用した背番号7が与えられたことからも、加入初年度から主力選手として期待されていた。 しかし、終わってみるとプレミアリーグではキャリアワーストとなるわずか14試合の出場に留まった。トッテナムとの第2節でのハムストリングの負傷を筆頭に、シーズンを通して4度もの離脱に泣かされた。中でも11月の練習中に負った肉離れは長期間のリハビリが必要となり、4ヶ月も戦列を離れている。その結果、大きく評価を下げる1年間となり、市場価値は6000万ユーロ(84億円)から3500万ユーロ(49億円)にまで下落した。 また、彼が万全なコンディションであっても、どのポジションで起用するのかが難しかった。チェルシーでは[4-3-3]のインサイドハーフとして起用され、積極的な2列目からの飛び出しで多くの得点に絡んでいたが、[4-2-3-1]のマンチェスター・ユナイテッドではトップ下に不動のブルーノ・フェルナンデスが君臨している。ユーティリティーな選手なため、ボランチやWGでもプレーできなくはないが、彼の持ち味が最大限に活きるわけではない。来季の監督次第ではあるが、その起用法にも悩まされそうだ。