圧倒的に成長しているグミ市場。逆転された飴やガム、若い世代は本当に関心がないのか?
本当に飴とガムは若者にウケていないのか?
しかし、飴やガムは本当に時代遅れなのか。ローソンが2022年にテスト発売した「味のしない?飴」は注目を集めて、2023年に再発売している。甘いものが苦手な人ものどを潤せる、という理由が大きく、SNSでは「虚無感」もウケていた。 また、『オリコンニュース』2022年12月16日配信記事「『パインアメ』、同年創業の『サクマ式ドロップス』と明暗なぜ?飴不況でもシェア広げる大阪の“アメちゃん”秘策」が、パインアメの好調ぶりを報じている。メーカーのパイン株式会社は2010年からツイッター(現X)を開始しており、翌年に神戸屋とコラボした「パインアメパン」を発売し、その後もゼリーや飲料、入浴剤など70点以上ものコラボ商品を出してきたことを報じている。そういえば、昨年の阪神タイガース優勝時も、ビールかけで祝う選手たちの映像に、パインアメの被り物を被った原口文仁選手が写されていた。改めて調べると、岡田彰布監督が声が枯れないように試合中も舐めており、優勝記念商品が出されていた。パイン株式会社は、阪神の地元、大阪の会社である。 実は私、昨年ロッテにガムの取材をしたが、その際、WBCで選手らがガムを噛む、キシリトールガムのボトルを日本チームのベンチに置いているといったシーンが放送され売り上げが伸びたことや、韓流アイドルのBTSをCMやパッケージに起用する、昔人気だったガムを復刻するなどして人気が上昇した話を聞いた。 つまり、ロングセラー商品と言えども、販促に努め注目を集めれば再評価される。あるいは人気を維持しやすいのである。味も大事、見た目も大事。しかし、もしかするとSNSの発信力が強い今は、人気になる最大の要因は、露出の頻度かもしれない。大胆に言ってしまえば、ロングセラー商品が店頭から消えるのは、存在感が薄れるからなのだ。当然といえば当然の結論だが、これだけモノがあふれる時代なのだから、情報発信力と話題性が、売れ続けるうえで何より重要なのである。 実は、私もチェルシーのヨーグルト味がお気に入りで、終売発表後に行った各地のスーパーなどでないのを確認してあきらめていた。何しろ、SNSでも「あちこちのスーパーやコンビニ、菓子屋で探したがない」という投稿が溢れていた。ところがたまたま、3月末に東京駅の駅ビル内ドラッグストアに立ち寄ったところ、当たり前のように売られているのを見つけてしまった。ヨーグルト味10粒入り2箱、ヨーグルトスカッチ味、バタースカッチ味、コーヒースカッチ味も入った3種類入りアソートパック1袋を買って、今も大事に食べている。時代の変化は悲しいが、新しい魅力ある菓子も次々に誕生している。チェルシーにゆっくり別れを告げ、私も次へ向かうとしよう。