【プロキオンS】当コースの新馬圧勝ヤマニンウルスが目玉 人気データ、力関係以外の懸念なし
当コース新馬圧勝のヤマニンウルス
平安S2着ハピ、オープン勝ちのブラックアーメット、ダート重賞常連のグロリアムンディらに対し、無敗の昇級馬ヤマニンウルス、鳳雛S2着の3歳馬ブルーサンはどこまで戦えるのか。この力関係の評価は予想の成否を決める。 プロキオンSの結果でも触れたように、小回りらしく機動力は最大の武器。逃げ【6-4-3-24】勝率16.2%、複勝率35.1%、先行【13-22-10-72】勝率11.1%、複勝率38.5%と上級条件であっても基本は先行タイプだ。差し馬はまくり【4-0-1-3】勝率50.0%、複勝率62.5%のように4コーナー先頭まで押し上げられれば勝機はある。最後の直線は291.3m。粘り込みを狙う方が妥当だ。 スピード優先のコースながら、前走1700m未満の延長は【4-9-4-92】勝率3.7%、複勝率15.6%とふるわない。1700m【12-13-11-118】勝率7.8%、複勝率23.4%、1700m超の短縮【18-13-20-178】勝率7.9%、複勝率22.3%と1700m以上の成績がいい。 上級条件はやはりダート主流距離である1700m以上のレベルが総じて高い。まして重賞となれば、1600m以下はほぼなく、レベルの問題も大きい。ヤマニンウルスは当コースの新馬が4秒3差の大楽勝で理想的な番手抜け出しが武器。マイナス要素は少ない。あとは重賞レベルとの力関係だけ。あっさり突破なら秋は大きなところも視野に入る。 出走馬の大半を占める距離短縮組について。中京が【10-4-5-68】勝率11.5%、複勝率21.8%と成績がいいのは、夏の開催日程上、直前の関西圏の開催だったから。中京と小倉の親和性とは別問題と考えていい。阪神【6-3-6-46】勝率9.8%、複勝率24.6%も6月開催の影響が大きい。 プロキオンSの21年1、2着、22年1~3着は距離短縮組で、21年1着メイショウカズサはアンタレスS15着、2着トップウイナーは目黒記念16着。22年1着ゲンパチルシファーは東京ダート2100mスレイプニルS3着、2着ヒストリーメイカーは平安S15着、3着サクラアリュールはスレイプニルS2着。春の重賞大敗かオープン特別好走がパターンとなっている。 当然、鳳雛S2着のブルーサンは有力候補。さらにアンタレスS8着ゲンパチルシファーは2年前の覇者であり、平安Sで負けたスレイマンも冬に当地オープン勝ちがあり、注目に値する。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳