新潟・長谷川元が示す頂点へのカギ 最終ラインの背後を狙い続ける 11月2日ルヴァン杯決勝
J1新潟は30日、聖籠町のアルビレッジで、11月2日のルヴァン杯決勝の名古屋戦に向けて非公開で調整した。甲府時代の22年天皇杯に続き、加入1年目でのタイトル獲得に意欲を燃やすMF長谷川元希(25)は、持ち味のテクニックだけでなく、豊富な運動量でゴールに迫る。 天皇杯で頂点に立ち、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の舞台も経験した長谷川元は、大一番を前にしても平常心で準備を進めている。「決勝だけれど特別な感情はない」と言い切り、勝つことだけに目を向けている。 チームは9、13日の川崎Fとのルヴァン杯準決勝から守備が安定してきた。一方で、リーグ戦直近2試合は無得点と、ゴールが勝利への鍵となっている。特にリーグ前節の東京V戦はマンツーマン気味にくるプレスに苦戦して、うまく前進できない場面が多かった。 名古屋も9月の対戦で同様の守備をしてきただけに「決勝の前にできたことはポジティブ」と語る。打開のポイントには相手最終ラインの背後を狙い続けることを挙げる。「うまく(パスを)つないでいく上で、そこ(背後への動き)が一番欠けてしまう部分。マンツーマンなら相手を後ろ向きにさせるために走る」と強調する。 27日の練習では、松橋監督が26日にあったスペイン1部の伝統の一戦、レアル・マドリード―バルセロナの“エル・クラシコ”を引き合いに出し、両軍FWのアクションの多さを選手に伝えた。長谷川元は「僕も見たけれど、何回オフサイドになっても、やり続けることが大事。甲府時代はそういうプレーが多かった。こういうタイミングで欲しいというのを伝えながらやりたい」と意気込む。 会場の国立競技場は甲府時代にACLでホームとして戦い、いい意味で「特別感はない」。決勝を前に金髪にしたのも「意識してなくて。髪を切るタイミングで、色にムラがあったので今後のために」と笑う。 22年の天皇杯制覇を経験し「優勝する、しないでだいぶ違う。優勝したら見られ方も変わった」と影響の大きさを実感した。再び成長するきっかけをつかむために、ゴールと頂点を狙いにいく。