クロマティ氏への“頭を指さす”挑発返し「チャンスがあればやろうと思っていた」大洋のエース・遠藤一彦氏 アキレス腱断裂も開幕投手を諦めきれず…
関根潤三監督…パイポ片手に「代われ」
1982年から1984年まで大洋の指揮を執ったのは関根潤三氏。 徳光: 関根さんはどうでしたか。 遠藤: 関根さんは堀本さんと同じぐらいの恩師ですね。負けても負けても投げさせてもらえましたから。 徳光: 関根さんって、投手交代のときに、パイポ(タバコ型禁煙グッズ)を持ってましたよね。 遠藤: 指先でパイポをいじって遊びながら、マウンドまでトコトコ、トコトコやって来るんですよ。 徳光: ニコニコしながら声をかけるじゃないですか。あれはどういうことをおっしゃってたんですか。 遠藤: まだ大丈夫かなっていうときには「どうする?」って来るんですね。 もうダメだなと思うときは「代われ」って来ますね。「まだ大丈夫ですよ」って言ったら、「そっか、じゃ、帰るわ」って言って帰っていきます。
アキレス腱断裂も三塁までケンケン
1987年10月3日の後楽園球場での巨人戦、5回表の攻撃中に遠藤氏はアキレス腱断裂の大ケガを負った。 徳光: あれはどういう状況だったんですかね。 遠藤: あれはですね、私が先頭バッターで、何でもないセカンドゴロを打ったんですよ。 徳光: セカンドは篠塚さん。 遠藤: そしたらジャッグルしたんです。それで出塁して、次の高木豊がレフト線へ打ったんです。「サードまで行けるかな」っていう感じで走ってたんです。 徳光: それが途中からケンケンになりましたよね。 遠藤: そうです。でも、ケンケンで行っても、倒れ込んで「セーフ」って言ってもらいましたから。 徳光: あのケンケンは三段飛びみたいでしたね。 遠藤: そうですね。(塁間を)7歩か8歩で行ってたみたい。 徳光: 守備の名手、篠塚さんのエラーって珍しいですよね。 遠藤: ほんとに珍しいです。それも人口芝ですからね。彼がエラーしていなければ、ケガしていないかもしれない。“たられば”なんですけどね。 徳光: あのケガは遠藤さんの野球人生の中でも、大変印象に残ってるものじゃないかと思うんですが。 遠藤: そうですね、野球やってる中で一番大きなケガでしたから。 ただ、もともと“勤続疲労”的にアキレス腱痛が出てたんです。それで痛み止めの注射を打ってたんですよ。2年ぐらい前からですね。
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