高浜原発事故想定し訓練、バスで20人が市外避難 UPZ圏内の大江町で
福井県の高浜原発から半径30キロのUPZ(緊急時防護措置準備区域)圏内にある京都府福知山市大江町有路下地区で1日、原子力災害時を想定した避難訓練があった。同地区では原子力発電所の事故時に迅速な避難が求められており、住民約20人が非常時の対応などを確認した。 UPZは、放射線による影響を最小限に抑えるため、屋内退避や圏外への避難、放射性ヨウ素による内部被ばくを防ぐための「安定ヨウ素剤」の服用などの防護措置を準備する範囲を指す。 訓練は、府が主催する原子力総合防災訓練の一環で、毎年実施している。今回は、福井県を震源とするマグニチュード7の地震が発生し、高浜発電所4号機から放射性物質が放出した-という設定で行われた。 午前9時30分に、防災行政無線による避難指示を受けた住民たちは、20分以内に一時集合場所である同町二箇下の有路下体育館に集合。市危機管理室職員に、UPZ圏内から避難する際に必要な通過証の記入、安定ヨウ素剤の配布などを含む原子力災害時の避難方法についての説明を聞いた。 その後、住民らは防災訓練メイン会場の府立丹波自然運動公園(京丹波町)までバスで移動し、放射性物質に汚染されていないかを調べるスクリーニング検査などの各種訓練も行った。 参加した大江町二箇上の新井健二郎自治会長(74)は「原発事故は絶対に起こってほしくはありませんが、万が一の際には訓練が役立てばよいと思います」と話していた。